政令指定都市に移行した場合に、岡山市の区割りが「四区」となる方向になりました。市議会の大多数がおおむね旭川以西を南北に二分し、以東を東西に分ける「四区」案でまとまったからです。
市は審議会の答申をもとに「三区」の方針を示しました。が、同時に市議会の総意があれば変更する考えを示唆したため、市議会が協議を続けていました。
議長から報告を受け、高谷茂男市長が「四区」への方針転換を最終判断することになります。
ただ、三区であれ、四区であれ、「岡山市は一つ」という意識を今まで以上に強くする必要があると思います。
市議や県議は選挙区が区単位になり、今までより狭い地域の住民に選ばれることになります。市域に線引きをすれば市民にも帰属意識が生まれ、対抗意識や競争意識が働くこともあるでしょう。
一九九〇年代に広島支社を経験した先輩記者の話では、政令市移行で八区に分かれた後の広島市には区ごとに大規模なスポーツセンターが横並びで造られ、市は膨大な建設費と維持費を背負ったといいます。しかし、そうした無駄な公共事業を行うことが区割りの目指す方向ではありません。
政令市になったとしても岡山市の人口は七十万人。都市内分権を進め、各区が歴史や特徴を生かした施策を通して個性を発揮することは重要です。しかし、同時に区の枠を超えて連携したり、足りない部分を補いながら、市民が一体感を共有できる市政運営も大切にしてほしいと思います。
(政治部・板谷武)