熊本県八代市と鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」(八代市)は20日、来年3月15日のダイヤ改正でJR鹿児島線の熊本駅(熊本市)と鹿児島中央駅(鹿児島市)に快速列車を乗り入れると発表した。年間約2万3000人の乗客増と約1500万円の増収を見込んでいる。

 同社によると、乗り入れ方式は、おれんじ側からJR側への片側乗り入れ。土、日、祝日の各駅停車の列車2本を快速に切り替え、車両基地がある出水駅(鹿児島県出水市)を起点に熊本、鹿児島中央両駅を往復運行する。乗り入れは当面、2年間続ける。

 JRへの乗り入れで、熊本方面へは八代駅で乗り換え不要となり、例えば佐敷駅(熊本県芦北町)から熊本駅までの所要時間が上りで10分、下りで12分短縮される。

 同社は、沿線各駅と熊本、鹿児島両県庁所在地を直接結ぶ利便性と時短効果に期待を寄せる。

 八代市で会見した嶋津忠裕社長は「自力での経営再建に向けた足掛かりができる」と話した。


=2007/12/21付 西日本新聞朝刊=