2006-10-01 Sun 02:00
幻体。
どうやらウィルスで殲滅されたらしい人類の、最後の緊急避難措置。 ここで僕が考えたのは、セレブラントという役割でした。TVでは覚醒という部分をメインに見せていましたが、本来はホスト権限のある保守要員として選別されるように考えていました。なので、司祭。 また、そこまで補完する必要もないので出ていませんが、セレブラントは拡張領域データーを幻体の外に保持しているというアイデアが存在しています。 これはゲーム用のための設定ですが、魔法使いであるウィザードはゲーム上個別に能力が特化されています。それぞれのホロニックの生成フォームとかはウィザードが保持し、ガンナーはガンナーで別のデーターを持っているという概念です。 なぜコピーが出来ずリセットが可能かという秘密はここにあります。 ただ、こういう予備アイデアは事前に公式化しちゃうとデーターも莫大になって、しかも些細な矛盾で逆に混乱して多くのファンが楽しくなくなると思います。 設定の日下部くんがまとめたゲーム版の原案プロットとかあるので、その小説とか出せるといいな、とか思っています。 ちょっと設定の話ばかり続けたので、退屈かもしれません。 次回はキャラクターについて書きますね。 |
2006-09-29 Fri 04:21
前回の続きです。
考えるとけっこうトンデモなんですが、人類復活説得力持たせるために選んだのが量子テレポートを含む量子ネタでした。 量子コンピューターは保存に向いてないですよ、なんでも量子で片付けていいんですか、多世界解釈どうするんですか?といろいろ設定の友人やSF好きのメインライターさんに指摘され冷や汗も何度かでましたが・・・ 個人的には用語を極力減らしたかったのと、視聴者のかたがたがなんとなくネットなどで調べやすくしたかったんですね。 英語のAIセリフもSF設定で小難しいのはこっち入れちゃえということで、デフテラの分析結果とかなにげにしゃべってます。 それでも途中までは綴りの違うクオリア〜とか量子サーバーの固有システム名称を考えたりもしてました。クオリアは茂木教授の本好きなので(w´Д`w) 当初量子サーバーは、ループのアイデアはなく、休止状態の東京サーバーからスタートという案でした。 鯖も敵による遺伝子損傷でやむなく保存というアイデアです。 ループに関しては別の機会に書きますが、ゼーガのせつなさを際だたせるいいアイデアに育ったなと思います。 僕の初期案だとループはなくて休止、再起動だけでした。ただ知識がなかったんですが、止めたら量子コンピューターにならないよ、と指摘されてだんだん現行のものに近くなったと思います。 最初期のイメージボードでは人類のサーバーもジフェイタス並に大きくて地下の洞窟にある、というアイデアもあり、いろいろ試案状態でした。 ところで、現行の設定にからめて小ネタですが、ナーガが提唱した幻体システムは、おそらくフォーマットはともかく各国の技術で作っているわけです。なので、独自規格も存在しているかなぁ、というニュアンスで考えてました。 たまたま日本の初期型サーバーである舞浜サーバーは400名で5ヶ月ループでしたが、東京サーバーはもっと大きかった可能性もあります。 そして時間の流れすら違う可能性も。 もちろん、お話の通りすべて5ヶ月のほうがせつなくていいよ、とかもありだとおもうんですよ。 また、ジフェイタスや地球の基幹サーバーは幻体サーバーの集合体で、古い型から増設して進化していっただろうな、とか 規模は違いますが、おそらくセレブラムサイドも兵器開発においては研究用加速サーバーを持っていたと思います。そうじゃないとあっという間に負けちゃう・・・ そーいうところなんですが、終わった後ですので堅く考えずいろいろ面白いエピソードを想像していただけるとうれしいです。 いちおう非公式ひとりごとです。いろいろ遊んでみてください。 夏への扉もアリ(*´З`*) |
2006-09-28 Thu 19:16
さきほど古澤PDと10分ほどお礼を兼ねて電話。
ゲーム版もありますが、まず全TV関係者の方々お疲れ様でした。 特に普段僕らのわがままを支えてくれた制作の方々、日記などですが、お礼申し上げます。 |
2006-09-27 Wed 14:14
ゼーガ企画の流れ、続きです。
初期バージョン2.1のお話をしましたが、このあたりはゼーガの方向を決定するためのTV、ゲームのPDクラスの会議で、ずいぶん緊張しました。 中原君は当初からつきあってくれているのですが、会議の時様々にヴィジョンを語ってくれて助かりました。僕も企画者ですから口ベタではないのですが、彼のアイデア説明とか楽しいんですよ。 この前後、企画関係のアイデアの整理を開始しました。 初期のキャラデザイン(2003年2月頃)のなかにはちょっとグロいんですがホロスーツの一部が半透明で、ゼーガと同じように主人公すらエレクトリカルな内臓が透けてみえるようなものもありました。 敵がフォトン生命体という異種生命体であったり、キービジュアルである光をどう扱うか悩みました。 文系のSFファンなので数式とかまったく理解できないんですが、ハードSFがかなり好きで、ゲームのビジュアルも含めこの時期ワイドスクリーンバロックな世界を目指していた気がします。 ただ、深夜という可能性もあったとは思うのですが、個人的には富野、良輔作品で育った世代ですから、夕方すっ飛んで帰ってきてワクワクしてみれる作品にしたかった。 子供の数も減っていますし生活サイクルも違う、でも主要購買層であるみなさんと同時に、子供はトラウマになるような作品みなきゃいけないっ!という黒く熱い願いがこの頃からずいぶん内容に投下されていたと思います。 SF設定は名前出ている方以外に何人かいるのですが、この頃サーバーのアイデア資料も含め、エンタングル&エンタングルメントという言葉を教わりました。 量子のからみあい。 からみあいかー、男女カポーでなんかエロイな、と一瞬思ったのはおいて、 僕の頭には禿艦長が叫ぶエンゲージ!の声が響いてました。 転送のかけ声はエンタングル! これでいけそうな気がしてきました。 |
2006-09-27 Wed 14:13
ニブ○ールの高橋氏とメールでやりとり。
OPEDはお世話になりました。 コレで終わっちゃうのもなんなので機会あれば雑誌で対談か座談会しません?といったら、快諾いただきました。 というわけなんですが、そんな話露ほどもないので どこかサブカル系雑誌さんで数ページ企画つくれませんか? |
2006-09-26 Tue 18:33
是我日記でナンバリングしてると、自分でもなんだかわからなくなってきたので、タイトルいれます。
20話以降、特に25〜26話未見の方はこの項はしばらくパスしてください。 この設定に関しては、企画時のメイキングとしてもラストにほんの少しからむ指針の箇所なのでビミョーなのでちょっと記述をさけてました。 さすがにまだゼーガみたことなくてこれから見るよーというひとにはなんでもネタバレになっちゃいますが、 みなさんがやっと少しホッとできるアイデアとして重要な設定かな、と思います。 さて、前回のプロットなどゼーガの骨格まとめるとき、PDからお願いされたのは1つだけでした。 この絶望的世界になんの希望があるのか?希望が欲しい。 これは企画内容ぶちあげたときにPD陣からも指摘されたんです。反対ではないにせよずいぶん暗いなぁ、なんて反応ですが^^; 僕にしてもメジャーな仕事いただいたので鬱エンドにする気はゼロで、 希望あるエンドでいきます、と答えました。ハッピーエンドといったような記憶もあるのですが、監督に預ける前ですので、現在のエンドなイメージではまだまだありません。 SF好きですから人類滅亡テーマの作品結構読んでて普通に不幸耐久度高いんですよね〜(*´З`*) ここで単純に提案したのは、データから人間に戻せます。という案。 高度なプログラムで生前の人間を仮想空間に再現するのではなく電子的にそっくり置き換えるアイデアです。 心を記録できるか、という疑念はおいて、仮にスタートレックの転送装置で説明したのですが、アレは人体を一度完璧にデーター化して目的地で再構成しているわけです。 つまりこのゼーガ世界ではデーター存在にならざるを得なかった悲しい人々、データ化して保存はできたが、生命活動として再生できる技術がその時点でない、しかしラストで復元の可能性が与えられる希望あるENDでならどうですか? と、いう説明でけっこう安心してくれたように思います。 なにしろ全地球人皆殺しをTVでやれそう〜ということで、内心うれしくて説得に一生懸命(*´З`*) ゲーム関係の方々はSFファンが多いですしサバイバルな設定のゲームも多いので、メカとか世界面白いですねーとかいってくれたのでさらにいい気に(コラ)なりました(>_<) その後現場PDさんも入り、もう少し希望あるといいなぁ、とのお言葉で現在の設定に近い、復興の可能性がある近未来版設定のアイデアを試案し始めました。 ・・・書いてて気づいたけどファン感動のラストのための分岐フラグはFプロデューサーが立てたのか!みんな感謝メール送るように! うーん企画作ってる途中でもずいぶんフラグとかありますね・・・ |
2006-09-25 Mon 19:29
さて、遅れましたが
最初のプロットの一部を要約。3年くらい前のモノです。 一応TVのネタバレになるような内容ではありません。 十河 京(ソゴウ・キョウ)16歳 月の島経済特区のインターナショナルスクール1年生。 だが、もうひとつの記憶が彼を現実という悪夢へいざなう。もうひとつの彼の持つ意識は2018年のアーカイブ・セレブラント。 イェル(謎の少女) 15歳。謎のアーカイブ・セレブラント。 エンゾ・ソゴル 17歳。セレブラント。 キメク・グラディエーター 全身武装化されたヒューマノイドタイプのセレブ。キメク小隊を率いる。 植民星出身。ローダー以外に、ヒューマノイド体のボディを持つ。 この最初期の設定での1話では、 主人公同級生少女の事故死の噂からはじまります。 その少女メイウーの席には花束。 教室に見知らぬ少女が現れ、 彼女が花に手を触れると花は枯れ、次の瞬間謎の少女は、以前からあたりまえにいたかのごとく教室にとけ込む。 主人公キョウはなぜか自分がその少女の名前を知っていることに驚き、 その少女の言動からすぐ近くに危機が迫っていることを知る。 納得がいかないまま下校するキョウと追うイェルの前に、プローブと呼ばれる実態のない影のような敵が襲いかかる。 命からがら逃げる最中、もうひとつの声が聞こえる。 謎の声「敵の送り込んだAIプローブだ、セレブラントにシフトする」 その瞬間、少年におこる変化。 少年のバーチャリティー(疑似人格)をあやつる存在が姿を現す。 二重人格化する少年。 いや、これが本来の人格なのか? キョウは言葉をかみしめる。 キョウ「真の世界はフレックスによって侵食された。僕たちは、クァンタムネット領域にいるはかない存在。そう理解している」 イェル「私は未来の存在。2155年の領域のセレブラント、あなたのとなりの席の女の子、可哀想なことをしたけど、一部はわたしのなかにいるわ…いつか助けてあげる…キョウ好きだったよ」 一瞬イェルの声に別人の声が重なり、悲しげな表情が浮かんで消える。 その後、二人が転送されるのは朽ちた地底の格納庫。 第三世代の対フレックス兵器と呼ばれるゼーガペインを起動させ、実体である敵機動兵器を打ち破り、地上にでる。 イェル、コクピットをでて小さな植物に触れようとする、しかしゆらめくように葉をすり抜ける手のひらに愕然とし、唇をかみしめる。 キョウ「現実へでて戦うすべは残っている、このゼーガペイン。それだけでも感謝しなきゃな、フレック領域の彼方になにがあるか…」 星が静かに天を覆う。 このプロットは他に登場人物もあり、戦闘シーンも含めわりと長いので割愛しますが、 現行と大きく違うのが、数百年後であること。人物達はセレブの記憶と日常の記憶が乖離した複合人格者であること、そして人間の記憶であるけれども戻ることすら不可能なAIという設定でした。 そしてサバイバル要素を強くしつつ未知の異世界を探索していく物語として考えていたと思います。 この後しばらく悩んでいました。 これは2稿で、さらにバージョン5までさまざまな試行錯誤があります。 企画会議で大きく変化を遂げたのは、やはり現在のゼーガ最大の禁則事項である、コピーの扱いをどうするかでした。 4稿目あたりでは1年物になったとしたらどうか?というような可能性としてコピー可能だった場合のアイデアを練った時期もあります。 作品の世界を形作る運命的選択は監督やメインライターの方々も含め凄くゼーガは大事にしていただいてるなーと思います。 |
2006-09-25 Mon 19:24
主人公ソゴル・キョウのネーミングから、一部のヒトはお気づきだろうと思いますが、 ゼーガは大昔の少年ドラマシリーズ版、そして他の一連のジュブナイルへのオマージュの要素があります。 奇しくも大林版の続編ともいえる正調角川版時をかける少女とおなじ号の雑誌で発表になったのですが、当時某キャラデのひととメールやりとりしてちょと驚いたの覚えています。 たぶん作り始めのとき意識したのは時かけではなく短編の傑作であるほしのこえだと思います。 若手から凄いジュブナイルが発信された、自分ならどうするだろう。 それが原点である少年ドラマ。ミステリアスで切ない物語・・・ ジュブナイルではありませんが、クリストファー・ノーランのメメント。これがなければゼーガの蠱惑的な痛みの物語は作れなかったと思います。 未見のかたはぜひ。 |
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