ニュース:事件 RSS feed
福田衣里子さん「人生を返して」 薬害肝炎 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:副作用
「私たちは福田康夫首相にすでにボールを投げている。今後も粘り強く政治決断を求めていく」。13日、東京都内で会見に臨んだ薬害肝炎九州訴訟の原告の1人、福田衣里子さん(27)。大阪高裁から提示された和解骨子案に失望し、責任範囲の線引きを高裁に求めた国の姿勢を強い口調で批判した。
昭和55年10月、長崎県内の病院で生まれた直後、止血のために血液製剤「クリスマシン」を投与され、平成13年の20歳の時に受けた検査で感染を知った。放置すると死に至ると知り、目の前が真っ暗になった。
高校時代は空手で段位を取り、大学では1年休学してヨーロッパを一人旅。好奇心と行動力に満ちあふれた人生は暗転した。22歳でインターフェロン治療を始め、注射のため週3回の通院と飲み薬の服用を半年間続けた。発熱や倦怠(けんたい)感、脱毛、そして猛烈なかゆみ…。激しい副作用に襲われては体中をひたすらかきむしり、血がふきだした。