伊賀市が在日韓国・朝鮮人の一部の住民税を減免していた問題で、減免制度廃止に向けた作業は03年度ごろに始まっていたことが12日、分かった。橋本浩三・税務課長が定例市議会で、恒岡弘二議員(自由ク)の一般質問に答えた。
橋本課長によると、当時係長だった03年の夏から秋ごろにかけ、市内の在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の代表者と、制度廃止に向けた非公式な話し合いを何度か持ち、04年度に正式協議に移った。その結果、05年11月、06年度末での廃止が決まった。
減免は旧上野市時代から続けられ、条例で副市長(助役)の決済が必要だったにもかかわらず、税務課長レベルでとどまっていたことが分かっている。
この日の一般質問で今岡睦之市長は「手続き上のミスがあった。税務だけでなく、きちっとチェックできる体制づくりをする」と再発防止を表明した。一方、減免制度が始まった経緯については、「当時の資料がまったく残っておらず、元税務課職員に聞いても分からない」と述べた。
また、詐欺容疑で再逮捕された長谷川正俊被告(59)を総務部長に任命した理由について、今岡市長は「行政マンとして仕事がよくでき、市民の信頼も厚かった」と説明。「(不正を)見抜く力がなく、任命権者としておわび申し上げる」と改めて陳謝した。【渕脇直樹】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2007年12月13日