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【埼玉】ドン・キホーテ火災提訴 『消防の責務』問う 遺族『事件の真相明らかに』2007年12月13日 さいたま市の量販店「ドン・キホーテ浦和花月店」の放火事件からちょうど三年。死亡した三人の遺族らは十二日、抱えつづけてきた疑問の答えを見つけ出そうと、市を相手に国家賠償訴訟を起こした。市消防局が一一九番の際に迅速に避難指示していれば三人は助かったのではないか、現場の消防隊員が生存者確認を急いでいればもっと早く突入できたのではないか−。遺族らは会見で「消防の現場対応は果たして適切だったのか」と訴えた。 (池田悌一) 遺族らは訴訟で、市消防局の活動と従業員三人の死の因果関係を問う方針で、会見に同席した代理人の猪狩俊郎弁護士は「消防の責務は何なのか、明らかにしていきたい」と話した。 訴状などによると、市消防局は一一九番通報の応対に一分四十九秒も要したほか、現場到着後も生存者の確認に全力を尽くさなかった。事件後に真相究明を求めた遺族に対して消防局は、「説明義務はない」と発言するなどしたという。 「自分たちが店に飛び込んで助けに行きたかったが、何もできず歯がゆかった。家族の最期を抱きしめてあげることすらできなかった。事件の真相を明らかにしたい」 死亡した関口舞子さん=当時(19)=の父広昭さん(52)がそう訴えると、同席した母親たちは目元を真っ赤にはらし、うつむいた。 猪狩弁護士は「量販店で火災が発生すれば逃げ遅れた人がいる可能性が高いと、消防のプロであれば予見するはず。しかし市消防局の職員は一一九番通報に対して漫然と対応し、現場の消防隊員も拡声器などを用いて生存者の有無を聞き回るなどの努力をしなかった。許せない」と語気を強めた。
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