【ニューヨーク19日共同】米証券大手モルガン・スタンレーが19日に発表した9‐11月期決算は、信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)関連の金融商品などの評価損失が94億ドル(約1兆600億円)に急拡大、純損失が35億8800万ドルとなり、1986年の株式公開以来、4半期で初の赤字に転落した。

 米証券の同ローン関連の損失としては最大規模。モルガンは自己資本を緊急に増強するため、中国が外貨準備の効率運用を目指して設立した国有投資会社「中国投資」から約50億ドル(約5650億円)の出資を受け入れる。米金融大手が中国から救済の形で出資を受けるのは初めて。

 米銀最大手シティグループがアラブ首長国連邦(UAE)の政府系投資機関から出資を受け入れるなど、サブプライムローン問題に関する損失拡大で欧米の金融機関の資本増強が相次いでいる。

 モルガンはサブプライムローン関連の金融商品などの評価損失は9、10の2カ月間で37億ドルと公表していたが、市場の混乱が続いたため11月だけでさらに57億ドル増加した。

 サブプライムローン問題が急浮上した8月以降、赤字に陥った米証券大手は、7‐9月期に約22億4000万ドルの純損失を計上したメリルリンチに続いて2社目。

=2007/12/20付 西日本新聞朝刊=