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【11月ワイドショー】緩い道徳観 民放にも (2/2ページ)
このニュースのトピックス:TVドラマ
そのギャップにモラルの低下を感じずにはいられない。まるで「国家公務員だからといって何でゴルフ接待を受けてはいけないの?」と開き直っているかのようにも見える。ここには、冒頭で紹介した元テレビマンを例にみるように民間企業の日常に蔓延(まんえん)し染みついてしまった緩い道徳観が起因してはいないか?
厳密に言えば民放局は完全な民間企業ではない。許認可事業として国から放送する資格を得た特別な企業体である。在京キー局は5局しかなく、誰もが自由に参入できない特権で守られ、スポンサーらからの出資金を独占してきた。企業がテレビ局に支払う宣伝・制作費は、消費者がこの企業の商品を買う際に支払う代金に含まれている。
極論すると、元プロデューサーのゴルフ代としてスポンサーが支払ったお金は回り回って視聴者が負担しているという事実に、放送局自体が思い至っていない。この局は最近、番組中の不祥事が相次いでいる。不祥事の続発は無縁ではないだろう。
一部の官僚が賄賂をたかり続けていても国家は倒産しない。だから、守屋被告のような汚職官僚は消えない。
ゴルフ接待を自慢する元プロデューサーに失望した大学生はあきらめたようにこう嘆いた。「過去を振り返ってみて、賞味期限切れの材料を使って廃業に追い込まれた食品会社は少なくないが、放送に関する不祥事で、倒産したり、廃業に追い込まれた放送局は一社もないのですね…」。危機感のない組織はモラルも失墜する。