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【11月ワイドショー】緩い道徳観 民放にも (1/2ページ)
このニュースのトピックス:TVドラマ
ワイドショーの関心事が「スターのスキャンダル」から遠ざかって久しい。この1年を見てもその主役は芸能人から政治家、関取、ボクサーへと変遷した。そして11月は国家公務員、それもキャリアトップが夫婦で主役の座に就いた。前防衛事務次官、守屋武昌容疑者とその妻が収賄容疑で逮捕された。収賄の中身はゴルフ接待費など。かつて「防衛庁を一流にする」と口にしていた男のモラルは三流以下だった。(戸津井康之)
「業界からのゴルフの誘いを全部受けていたら、一年が365日じゃ足らないよ」。守屋夫婦のセリフではない。在京キー局の元プロデューサーが、ある大学生に語った言葉だ。
この大学生は首都圏の私立大学の放送メディア研究会に所属。「放送の現状を教えてもらおうと、取材で訪ねたらいきなりこんな言葉を聞かされました。これでいいのでしょうか」と憤り、新聞社の文化部へ連絡してきたのだ。
「これでいいわけがない」。この元テレビマンがいた放送局のワイドショーは他局より率先し、積極的に守屋夫婦のゴルフ接待問題を取り上げ、批判しているだけに何とも皮肉だ。
市民は辟易している。ロッキード、グラマン事件から、今回の事件の渦中にいる国家公務員や商社マンはいったい何を学習したのだろうか。証人喚問で署名する指先がぶるぶると震えていた当時の証人のおびえた姿と比べ、守屋容疑者は堂々と答弁していた。