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なぜ異例の再試合は認められたか ハンドボール五輪予選
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ハンドボールの日本協会がクウェートなど中東諸国に有利な「中東の笛」を問題視し始めたのは94年広島アジア大会からという。03年にアテネ五輪アジア予選が神戸で行われた際には、実態を世界にアピールするため、IHF理事会も同時に誘致。だが、「ガチンコでは勝てない中東勢は大会を欠場した」と関係者は打ち明ける。
アジア連盟に東アジアからの理事は1人しかおらず、数の力の前に屈してきた。状況を打開したのが、韓国の国を挙げた運動だった。韓国オリンピック委員会を始め、大使館までも協力したという。さらにすべての連盟加盟国に不可解判定が38カ所も収録された試合のDVDを送った。日本協会もサポート。9月に愛知県豊田市で行われたアジア予選に、IHF幹部を視察に招き、実態を知らしめる努力を行った。
審判をめぐっては、今年9月に行われたレスリングの世界選手権でも、不可解判定が頻発。日本連盟の福田富昭会長は、即座に抗議。当該審判3人は、北京五輪から外される処分を受けている。
福田会長は「泣き寝入りしなかったのが、良かった。日本は外交が下手だが、強い姿勢を示さないとなめられる」と指摘する。今後の中東勢の“反抗”は予測できないが、毅然(きぜん)とした態度をとり続けることが重要だ。
(橋本謙太郎)