地上デジタル放送対応チューナーって便利?
少なくとも現時点で買う必然性はありません。もったいないです。
世の中には、地上デジタル放送(地デジ)対応チューナーというものが2−3万で売っております。地デジチューナーさえ買えば2011年以降も大丈夫ですよー、と言っている会社がありますが、どうしてそんなことを言っているのか私達には理解が出来ません。
まあ、まったく理解できないわけではありませんが、お客様の立場で考えれば、とりあえず現時点ではありえないです。そもそも、テレビの平均寿命は9年ほどですが、アナログ放送が停まり、地デジのみになるまで後3年以上あります。
現時点でテレビを買い換えて、液晶やプラズマの大画面で見たい、とか今のテレビが壊れたからついでに地デジチューナー付テレビを買う、という行動はそれなりに十分理由があることですが、今チューナーだけを追加して3年後に備えるというのはわかりません。
今までのアナログ対応のブラウン管テレビを、ここ1,2年に買った人であればまだ理由もわからなくもないですが、地デジ放送をブラウン管テレビで見ても、画質は良くありませんし、地デジチューナーによっては番組表やデータ放送も見られません。
地上デジタル放送が受信できてはいるが、アナログ放送並みの品質で、アナログ放送並みのサービスを地デジチューナー経由で受けているだけですので、まったく意味がありません。
それに、後3年あるとなれば現在5年10年使っているテレビであれば、当然3年のうちに3-5割のテレビが壊れていくわけです。テレビのメーカー部品保有年数は8年ですから、8年以上経っているテレビが壊れたときに部品が無ければ、新しいテレビに買い換えるしか選択肢がありません。
新しいテレビには、ほぼ地デジチューナーが内臓しているわけですから、別に買った地デジチューナーは必要なくなるわけです。
地デジチューナーを別につける場合のメリットは、今の保有してあるテレビがまだ新しく、最低でも2011年以降の3年以上(つまり2014年以上まで)使える見込みがある場合や、地デジチューナーの価格が総務省の目標としている5千円ほどで手に入るようになればいいかもしれません。
しかし、とりあえず国内メーカーは、今の価格より大幅に安くなるチューナーを開発することは難しいと言っていますし、部品の単価から考えても政府から補助金が出れば別ですが、出ない限りは無理かもしれません。
それに、たとえ地デジチューナーをつけても、アンテナや室内配線、ブースター、分配器などの交換には、最低でも数万かかるため、その費用を支払わない限り地上デジタル放送を見ることが出来ない建物も少なくないのが実情です。
アンテナなどの話は、テレビを地デジチューナー内臓タイプに換えたとしても同じ話ですが、一般にはあまり知られておらず、地デジ対応テレビ、地デジチューナーの話しか聞こえてきませんから、2011年7月24日に本当に停まったらパニックになるかもしれません。
とりあえず、チューナーを現時点で換える必要性はありません。チューナーを換えるかどうかはせめて2009年後半になってから検討したほうがいいかもしれませんが、その時にはぜひアンテナ、配線類のチェックもしていただきたいと思います。