岡山市の区割り問題で、開会中の定例市議会の総務委員会(浦上雅彦委員長)は19日未明、高谷茂男市長が方針を示した「3区案」への対案をまとめた。これで政令市移行に向けたヤマは越え、実現への大きな一歩を踏み出した。 18日午前10時15分に始まった同委員会は、70万人程度とされる人口要件の基準、3年間の採用凍結などが議論となり、長時間の休憩を何度も挟む展開となった。 人口要件について、田畑賢司委員(共産)は、05年国勢調査が基準となり、70万人には達していないのではないかと指摘。 これに対し、進龍太郎企画局副局長は「毎月流動人口をもとに拠点性など都市格をアピールし、認めていただく努力をしたい。国でも(5年に1度の)国勢調査のはざまを埋めるのは毎月流動人口。70万人は既に超えているという形で説明したい」と力を込めた。 採用凍結の問題では「解除できない」という当局と、「解除できないなら具体的な人員体制を示すべき」という委員側の平行線が続いた。 午後6時20分ごろ、土肥啓利委員(新風)が区割り問題で4区を主張してきたゆうあい、政隆との3派で協議してまとめたという対案について「このタイミングで出させてほしい」と提案。同案が文書で配布された後、同6時25分から休憩に入り、各会派に持ち帰り協議された。 約8時間にわたる水面下の調整が続き、日付を越え午前2時25分に再開。同2時半すぎから秘密会に切り替わり、同2時50分に終了した。 直ちに浦上委員長と田尻祐二副委員長は議長室を訪れ、宮武博議長と磯野昌郎副議長に結果を報告した。 対案は「4区」とみられるが、具体的な内容や全会一致かどうかは、秘密会の結果であるとともに高谷市長へ伝わる前の公表は適当でないとして、同委員会終了時点では発表されず、一定の配慮をみせたとみられる。 同日午後0時半から会派代表者会議が開催された後、宮武議長が高谷市長に対案を文書で提出する予定で、終了後にオープンにされる見込み。