岡山県の平均寿命が全国で上位に入った。喜ばしいことだ。厚生労働省が「二〇〇五年都道府県別生命表」を公表した。
一九六五年から五年ごとに作成されている。出生や死亡に関するデータを基に年齢ごとの平均余命を算出するもので、ゼロ歳児の平均余命が平均寿命となる。全国一位は男性が長野県の七九・八四歳で四回連続、女性は七回連続沖縄県で八六・八八歳だ。
岡山県は女性の平均寿命に定評があり、今回も八六・四九歳で四位だった。常に十位以内に入っているのは沖縄県と二県だけ。女性に比べやや元気のない男性だが、今回は七九・二二歳で、二十一位から十一位へと上がった。
平均寿命は事故や自殺、保健・医療の充実度、食生活、環境などが絡み合った結果だ。地域の健康度のバロメーターともいえる。広島県は男性十三位、女性十位、香川県は男性十九位、女性二十位となった。
長くトップにある長寿県も安閑とはいかないようだ。日本医療政策機構編集の「二〇〇六年度版医療白書」によると、長野県では定評のあった活発な保健活動への住民参加の減少や、生活習慣病への危機感が高まっているという。長い平均寿命は過去の遺産で、未来を映す鏡ではないと戒める。
岡山県でも長寿社会へさらなる取り組みが大切だ。個人はもちろん、企業も地域も一体となって健康づくりを充実させたい。