電気用品安全法(PSE法)で売買が禁止されていたプレイステーションやドリームキャストなどの中古ゲーム機の販売が21日の改正法施行で、約1年9カ月ぶりに“復活”することが明らかになった。法制定以前の機器も安全が確認されたための措置で、中古業界は歓迎しているが、一方で「何のための販売禁止だったのか」と疑問の声も上がっている。
PSE法は、漏電など電気製品の安全性の確保を目的に、「電気用品取締法(電取法)」に代わって制定された。01年4月の施行後は新基準を満たした電気用品には「PSEマーク」を付け、06年4月以降、マークのない製品の販売を禁じていた。5年間の猶予期間が置かれたが、中古市場が活発なシンセサイザーなどの音楽機器では大きな影響が出るため、作曲家の坂本龍一さんらが同法に反対する署名活動を展開するなどの騒動も起こった。
経済産業省は、電子楽器などのビンテージ品といわれる製品については、希少価値が高く、検査が困難との理由でマークなしでの販売を06年3月に承認したが、ゲーム機では、ファミリーコンピュータやスーパーファミコンなどACアダプターで電源を供給するものを除く、プレイステーション(SCE)、プレイステーション2(同)の一部、セガサターン(セガ)、ドリームキャスト(同)などの販売が禁止された。中古店では、販売禁止直前に対象機器を捨て値で売却するなどの混乱も起こったという。
同省では、中古業者などのからの意見交換会などを開き、業者による自主的な安全点検のガイドラインを定め、製品の安全審査などを実施。旧電取法の基準に適合した製品の安全性が確認されたとして、旧法時に製造されたものについて、マークなしでの販売を認める法改正を実施した。
同省は「旧法でも中古販売業者も対象としており、原則的には変わらないが、PSE法の本施行までの5年間で、中古業者への周知活動が不十分だったため、社会をお騒がせしてしまった」としている。東京・秋葉原の中古ゲーム店「トレーダー」の小林俊一さんは「サターンやドリームキャストはいまだに人気のあるハードなので素直にうれしいが、この一連の騒動は何だったのかという気もする」と話している。【立山夏行】
2007年12月19日