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新大統領に期待と注文 「コリアタウン」東京・新大久保

2007年12月19日23時07分

 韓国大統領選で野党ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)候補(66)が当選を決め、10年ぶりに政権が交代する。日本で暮らす韓国人や北朝鮮による拉致被害者家族らに、期待と注文を聞いた。

 「コリアタウン」として知られる東京・新大久保。街は日本人だけでなく、韓国人観光客らでにぎわいを見せていた。

 韓流グッズを扱う店で働く金顯(キム・ヒョン)さん(25)は「独島(竹島)などの問題はあったけど、韓国と日本の人々は今とても仲の良い状態」と感じる。実際、1年間に日本を訪れる韓国人観光客の数は10年間で約3倍に。日韓の年間相互交流は500万人に届きそうな勢いだ。「韓流好きな日本人と同じぐらい、日本にあこがれる韓国の若者は多い。アニメや映画など文化交流の枠をもっと広げてほしい」

 韓国では、盧武鉉政権の5年間で人々の格差が広がったとされる。来日して1年半になる韓国料理店アルバイト黄恩眞(ファン・ウンジン)さん(26)は、日本で貿易を学ぶつもりだ。「韓国では大学を出ても就職が難しい。若者の雇用を何とかしてほしい。帰国したとき、良い会社に就職できればいいけど」

 神奈川県の自宅でニュースを見守っていた在日2世のエッセイスト朴慶南(パク・キョンナム)さん(57)は、南北和解のいっそうの推進と在日韓国人の権利擁護への取り組みを求めた。「地方参政権などの実現へ後押しを期待したい。ただ、日本生まれということが選挙中はネガティブキャンペーンに使われた。逆に身動きがとれなくならないか心配です」

 李明博候補の野党ハンナラ党は10月の南北首脳会談の共同宣言が韓国人拉致問題に全く言及していないとして、盧政権を批判していた。拉致被害者家族会の増元照明事務局長(52)は「現政権は日本人拉致のみならず、自国の拉致問題にすら目をつぶり、無意味な経済援助で金正日政権を延命させた。『経済大統領』の李明博氏は支援の意味、戦略も考えるだろうし、そうしてほしい」と語った。

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