日本有数の魚の水揚げ港、気仙沼港を抱える宮城県気仙沼市のすし店の組合がすしだねの「時価」表示を撤廃し好評だ。気仙沼にはフカヒレをはじめ、カツオやサンマなど新鮮な魚を求めて多くの観光客が訪れるが「勘定を心配せずにすむのですし店に足を運びやすくなった」との声が聞かれるという。
時価をやめたのは、市内20店でつくる気仙沼寿司組合。これまで漁獲量や需給の関係で仕入れ値が変動するウニ、アワビなどの高級すしだねは時価としてきた。しかし「値段が分からず不安」などの声が地元の観光協会に寄せられたため、明朗会計で若者や女性などにも安心して食べてもらおうと組合総会で時価をやめることを申し合わせた。
値段を店内に表示したり、注文の際に値段を伝えるなどやり方はさまざま。清水直喜組合長(61)は時価の撤廃などで入りやすい店づくりを進め「女性一人でも安心してカウンターに座れる店にしていきたい」と話している。