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大手電機初 主力製品のR&D、大半を中国に移管 パイオニア (1/2ページ)
AV(音響・映像)機器大手のパイオニアは19日、中国の研究開発拠点である「上海R&Dセンター」の現地技術者を3年後に現在の1・5倍の300人規模へと大幅に増強する計画を明らかにした。デジタル製品の開発費負担の増大に対応するため、将来は主力製品の開発の大部分を人件費が安い中国で行い、日本は先端技術の研究開発に特化し、研究開発の国際分業体制を構築する。
主力製品の開発をほぼ全面的に中国に移管するのは大手電機メーカーで初の試みとなる。
同センターは2001年の設立。約30人だった技術者は現在、192人(うち日本人13人)まで増えている。計画では、今後3年間で中国人の大卒者を中心に年30人強を採用し、計100人程度を増員する。
すでに主力製品の一つであるカーオーディオについては、日本の拠点で行っている最高級機種を除き、設計などの開発の大半を同センターが担っている。現地採用者は日本での研修を経て配置しており、回路設計などの高度な分野も中国人技術者が担当できるまでになった。
新たに、より高い信頼性が要求されるOEM(相手先ブランドによる生産)向けカーオーディオの開発も部分的に手掛け始めたほか、最先端の次世代DVDの設計も視野に技術者の教育を進めており、今後も担当分野を広げていく。さらに中国向け製品を手始めに企画段階からかかわる体制を目指しており、将来は主力製品の研究開発をほぼ全面的に担う拠点としたい考えだ。