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死刑執行停止を初採択 国連総会 日本は反対
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【ニューヨーク=長戸雅子】国連総会は18日、死刑存続に「深刻な懸念」を表明し、執行を一時停止するよう加盟国に求める決議案を賛成104、反対54、棄権29で採択した。執行停止を求める総会決議は初めてで、欧州を中心に死刑廃止の世論が強まっている状況を映すものとなった。日本、米国、中国などは反対した。
決議は死刑制度を維持している加盟国に死刑廃止を視野に執行の一時停止を要求。死刑の適用を減らすことも求めた。また、国連事務総長に2008年の総会で同決議案の履行状況に関する報告を要請した。
総会では1970年代に死刑制度廃止を望ましいとする決議が2度にわたって採択されているが、今回の決議は執行停止という行動を求めているのが特徴。
総会決議に拘束力はないが、18日の総会ではナイジェリアやマレーシアなどが「最も忌まわしい犯罪に死刑を適用することは刑事司法制度の根幹」として反対を投じた理由を説明した。
米国では36州が死刑制度を維持しているが、東部のニュージャージー州では17日に死刑を廃止する法律が成立し、他州への影響が注目されている。