トルコ軍数百人がイラク北部へ越境攻撃、ＰＫＫ掃討

バグダッド（ＣＮＮ）　イラク北部のクルド人自治区政府は１８日、トルコの非合法武装組織クルド労働者党（ＰＫＫ）の掃討作戦でトルコ軍が同日、イラク北部に越境したと述べた。トルコ軍は１６日、ＰＫＫ拠点を標的に大規模空爆を実施している。

自治区政府の治安当局によると、越境部隊は約３００人で国境周辺にとどまっている模様。今回の越境が大規模な地上攻撃につながるのかは不明。

トルコのエルドアン政権は、根城とするイラク北部からトルコへ越境、政府軍を攻撃するＰＫＫの活動が止まないことから、同北部への攻撃の権限を軍に認めた。一方、イラク政府はこれに強く反発、両国関係は悪化している。

イラク北部情勢の混迷が、同国内政のさらなる悪化要因になることを懸念する米国はトルコに自制を求めているが、ＰＫＫ活動の情報共有の強化で合意するなど両方にらみの微妙な外交を強いられている。

ブッシュ米大統領は先月、ワシントンでエルドアン首相と会談、ＰＫＫはテロ組織であり、トルコとイラクと米国の敵とトルコの立場に同調していた。首相は大規模攻撃に踏み切るかどうかの判断は示していなかった。