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【静岡】

静岡のヘリ墜落事故 新たに同型2機でもベアリングの腐食

2007年12月19日

国交省、ドイツ当局に報告

 静岡市葵区の調整池にオールニッポンヘリコプター(東京都江東区)のヘリが墜落し機長ら2人が死傷した事故で、事故機の制御装置「コントロールロッド」の破断を招いたとみられるベアリングの腐食が、同型の別のヘリ2機でも確認されたことが18日、国土交通省の調べで分かった。

 国内にある同型機34機のうち、すでに1機で同じベアリングの腐食が判明しており、腐食が確認されたのは計3機となった。

 国交省は同日、メーカーのユーロコプター(本社フランス)と、機体が製造されたドイツの航空当局にこの結果を報告した。今後については「ドイツ当局の対応を待って対処する」としている。

 腐食が見つかったのは、ヘリ尾部にある金属製ベアリング「ボール・ピボット」。同省航空・鉄道事故調査委員会は、事故機はこのベアリングに生じたさびにより、コントロールロッドに予想外の負荷がかかり、金属疲労でロッドが破断した可能性が高いと判断。それによって後部回転翼が操作不能となり、機体が安定を失って墜落したとみている。

 国交省は事故機のロッドの破断が判明した後の11日、同型機の点検を所有各社に指示。この点検で1機から事故機と同じベアリングにさびが見つかったため、14日にあらためて詳細な点検を求める通達を出していた。

 ベアリングの腐食が事故機以外からも見つかったことを受け、識者の間からは、同型機に共通の構造的な問題を指摘する声も出ていた。

 

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