11月15日、青森県八戸市のホテルで女子高生(16)が岩手県の無職の男(30)に首を絞められ殺害された。2人が知り合ったとみられるのは、爆発的に会員数が増えているゲームサイト「モバゲータウン」(モバゲー)。会員同士が会うことは禁じられているが、交際目当ての入会も多く、出会い系サイト化する実態もある。サイト運営する「ディー・エヌ・エー」は20日、メール交換を制限する新ルールを導入し、青少年の保護に本腰を入れ始める。
女子高生は下北半島の海沿いの町に住む。事件の前日「友達の家に行く」と家を出て、そのまま戻らなかった。中学ではソフトボール部のピッチャーとして活躍、高校ではバスケ部のマネージャーをしていた。
女生徒が通う高校の校長は「素直であいさつをきちんとする普通の子。失恋のため夏休み後に不安定になり、事件の10日前から不登校だった」と話す。保健室もたびたび利用し、養護教諭にモバゲーについて話していたという。捜査当局は容疑者の供述などから、2人の出会いの場をモバゲーとみて調べを進めている。
父親は「携帯電話は便利な半面、もろ刃の剣。ああいう所(サイト)がなければ、こんなことにならなかった……」と漏らす。携帯電話は「友達も持っている」と娘にせがまれ小学生の時に与えた。
モバゲーは06年2月に開設。2年足らずで会員813万人に急成長、10代が44%を占める。顔を知らない会員と会話を楽しむコミュニティー機能に人気があり、会員はアバターと呼ばれる漫画の化身を持ち、趣味のサークル作りやブログで友達を増やす。
運営会社は電話番号や住所の交換を禁じ、違法な書き込みがないか、100人体制で24時間チェックしている。ディー社は「事件がモバゲーで起きたのかまだ特定できない」としつつ、13歳未満の会員のメール通信を禁じ18歳未満はメール送受信の相手を前後2歳までに限ると決めた。また来春までに監視要員を300人に増やす。【山本紀子】
◇規制の効果疑問
「全国webカウンセリング協議会」の安川雅史理事長の話 子どもはサイトの監視から逃れるすべを知っている。「援助交際」と言わず、「佐保(サポート)願います」と書き込む子もいる。モバゲーは50代でも10代と偽って登録が可能で、少女目当ての大人の男が多く入り込んでいる。自己申告なので年齢チェックはできず新たな規制が功を奏するとは思えない。
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