【モスクワ＝坂井光】ロシアのプーチン大統領与党「統一ロシア」は17日、モスクワで党大会を開き、プーチン氏の後継を決める来年3月の大統領選の候補としてメドベージェフ第一副首相を正式指名した。同時にプーチン大統領はメドベージェフ氏による首相就任要請を受け入れる考えを初めて明らかにした。メドベージェフ氏の当選は確実視されており、来年5月のプーチン大統領退任以降はプーチン氏が「強い首相」として君臨する体制が固まった。

　党大会に出席したプーチン大統領は「メドベージェフ氏を大統領候補に推薦する」と述べ、同氏を大統領候補に指名した。同時にメドベージェフ氏が当選した場合は「首相に就任する用意がある」と言明し、大統領退任後に首相として大統領の後ろ盾となることを明らかにした。ただ、憲法を改正して「大統領と首相の権限を変えることには反対する」と強調した。

　党大会には大統領、メドベージェフ第一副首相のほか、ズプコフ首相、イワノフ第一副首相ら政権側の有力者がそろって出席した。党員でもないこれら有力者がメドベージェフ氏支持を鮮明にすることで選挙の勝利を確実にするとともに、プーチン路線の継続を改めて国内外に印象づける狙いがある。

　メドベージェフ氏は統一ロシア、公正なロシアなど4党による統一候補となる。同氏は大統領に当選すればプーチン氏を首相に指名する方針を11日に表明していた。野党からはジュガノフ共産党委員長やカシヤノフ元首相らが出馬表明しているが、最近の支持率ではメドベージェフ氏が他候補を大きくリードしている。(02:04)