九州新幹線：長崎ルート着工見通し　知事、鹿島市長、江北町長の会見要旨　／佐賀

　◇三セク案と同じ／経営分離でない
　佐賀、長崎両県とＪＲ九州の３者合意が発表された１７日夜、新幹線の実現を進めてきた古川康知事と、新幹線開通で並行在来線が分離されるのは地域の死活問題として反対してきた桑原允彦・鹿島市長らが、それぞれ会見した。両者の発言要旨は次の通り。
　◇桑原允彦・鹿島市長と田中源一・江北町長の会見要旨
　◆合意案の感想は。
（桑原市長）第三セクターによる前の運行案と全く変わりない。違いは肥前鹿島―諫早間の運営を両県でなくＪＲ九州がするということだけ。
（田中町長）合意案は上下分離方式でもあり、「経営分離でない」と言えるのか。
　◆合意案は政府・与党の検討委で通るか。
　（桑原市長）いろいろな情報を得たが、通るだろう。
　◆鹿島市には県から振興策が示されているが、江北町には示されていない。両市町で統一できるか？
　（桑原市長）別々の判断があり得る。鹿島市は第三セクター案か合意案かの二者択一。
　（田中町長）反対も含めていろいろな選択肢がある。
　◇知事の会見要旨
　◆ＪＲの運行期間が２０年とは。
　着工は今から１０年後と考え、約３０年間という長い間今のまま走り続けることになる。
　◆ダイヤは？
　特急は肥前鹿島まで走る。現在約５０本だが、上下線で１０本程度になる。普通列車は現状を維持する。
　◆鹿島市などの同意を取る状況に戻ることはもうないか。
　長崎線存続と新幹線着工が両立できた。戻ることは考えにくい。
　◆設備を売ることは経営分離では？
　ＪＲが運行し、赤字処理もする。実際に客を運ぶのが誰かということがポイントで、経営分離ではない。

１２月１８日朝刊