たけしの本当は怖い家庭の医学 #122 2007年12月18日放送
年末恒例の全身総チェック「家庭でできる人間ドック早期発見スペシャル 」。
日本を代表する名医の監修の下、ご家庭で今すぐできる簡単な検査をご紹介します。
恐ろしい病気の可能性をその場で、たちどころに早期発見して、年内のうちに対処しましょう。
1.整形外科
2.呼吸器内科
3.特別診察室
4.耳鼻咽喉科
5.脳ドック
なんらかの原因で、股関節の動きが悪くなり、痛みや歩行障害などがでる病。
股関節は、「大腿骨頭」と、それを覆うように包んでいる「臼蓋(きゅうがい)」と呼ばれる骨からできている。その間でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、骨が削れ、変形。
周りの組織に炎症が起き、発症すると考えられている。
40代後半〜50代に多く、日本全国で約100万人の患者がいると言われている。
また、臼蓋の丸みが正常に比べ少し足りない、「臼蓋形成不全」とよばれる先天的な異常があると、この病になりやすいと言われる。
「臼蓋形成不全」は、日本では300人に1人と言われ、女性に多いのが特徴。
そのため、変形性股関節症の発症も、女性の方が多く、その数は男性の5倍にものぼる。
(1)平らな場所に仰向けで寝る。
(2)足を組み、組んだ足の膝を下の方に倒していく。
(3)左右の足で同じテストをすれば、両足チェックできます。
※決して無理はしないこと。
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約14秒)
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ほぼ水平まで曲げられればクリア。
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水平まで曲げられなかったり、痛みが伴った場合は、レッドゾーン。
変形性股関節症などで股関節に異常がある可能性がある。
腰椎とは、背骨の一番下、腰のあたりの体を支える骨のこと。
そこで骨と骨のクッションの役割をはたしているのが椎間板。
椎間板の中の「髄核」とよばれるゼリー状のものが外に飛び出し、神経を圧迫。炎症が起き、痛みが出るのが「腰椎椎間板ヘルニア」。
椎間板の老化、重いものを長時間持つような生活、そして前屈みの姿勢を 長時間つづける事などが発症の主な原因。
(1)平らな場所に仰向けで寝る。
(2)足首を足と垂直になるように曲げ、膝を伸ばした状態で
片方の足を持ちあげていく。
(3)左右の足で同じテストをすれば、両足チェックできます。
※このとき、膝が曲がらないように注意!
※パートナーに見てもらいながらどのくらいあがっているか
確認すること。
※実際の医療現場では医師が患者の足を持って行う。
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約24秒)
●
腰椎椎間板ヘルニアの場合、仰向けに寝た状態で足をあげると神経が引っ張られて椎間板による圧迫がよりきつくなり、痛みを生じる。
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70度以上あがればクリア。
腰椎椎間板ヘルニアの可能性は低い。
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70度以上あげられない場合は、レッドゾーン。すでに椎間板ヘルニアを発症しているか、これから発症する可能性がある。
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30度までもあがらない場合は、かなり重症の腰椎椎間板ヘルニアである可能性が高い。
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空気の通り道である気管支や肺に異常がおき、十分な空気が取り入れられなくなる病気。病状が進むと、呼吸困難が続くため治療をしても一生酸素ボンベなしでは生きられない状態になることも。「ワース・ザン・デス」(死よりも最悪)と呼ばれる。
主な原因は喫煙。COPDの95%以上が喫煙者。その他、 粉塵や排ガスなど、特殊な有害物質を吸い込み続けることでもなり得る。 国内の患者数は約40万人。潜在的な患者を入れると530万人とも言われる。
(1)火のついたマッチを、口から15cmのところに持つ 。
(2)口をいっぱいに開けた状態で火を吹き消す。
(3)吹き消すことが出来たら、1秒間の呼気量が1.6リットル
以上ある。
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約41秒)
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1秒間に吐き出す呼気の量が1.6リットルに満たなければ、肺の閉塞が見られる。
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成人男性の平均呼気量は、1秒間に3〜4リットル、成人女性で1秒間に2〜3リットル。
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「胃の痛み」「胃のもたれ」という症状が3ヵ月以上続く病。内視鏡による検査では、潰瘍や炎症などがまったく見られないため、発見されにくいのが特徴。日本では1000万人の患者がいると言われ、潜在的な予備軍も含めると、 実に日本人の4人に1人がこの病になる危険性があると言われている。はっきりとした原因はわかっていないが、その発症に、精神状態が深く関わっていることが、指摘されている。
このような精神状態によって引き起こされる病こそ、
「心身症」
。
心身症とは、ストレスからくる精神の不調が、身体の症状となって 現れてしまう病気のこと。
その種類は、機能性ディスペプシアだけでなく、 実にさまざま。
気管支喘息や高血圧、狭心症などにも、精神の不調が原因と なっているケースがある。
※心身症になりやすい性格のタイプは、この問診でチェックできます。
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メニエール病とは、耳の中の内耳という器官に、リンパ液がたまりすぎ、 強いめまいと共に、難聴や耳鳴りが起こる病。その原因は、はっきりとは分かっていないが、ストレスが大きく関係しているといわれる。30代〜50代に多く発症し、中でも最近女性患者が、全体の6割を占めるまでに増えている。一旦発症すると、めまいの発作は抑えられても、多くの場合、後遺症として耳鳴りや難聴などが残ってしまう。
そんな、メニエール病の前段症状のひとつとして「急性低音障害型感音難聴」という病の症状があることが明らかになってきた。
「急性低音障害型感音難聴」とは、耳の聞こえを司る内耳の蝸牛に異変が起き、聴覚に障害が生じるもの。最大の特徴は、その名の通り、「低音域が聞こえにくくなる」ということ。「耳のつまり」や「耳鳴り」、更には「声が響く」といったものも特徴的な症状。
(1)耳元で、手の人差し指と親指を軽く叩く。両手同時に行う。
※指の間隔は2〜3cmぐらいにして軽く叩くこと。大きく広げたり、 強く叩いたりすると大きすぎてすぐ聞こえてしまう。
(1)2本のフォークを用意。
(2)それを両手で持って、耳元で軽くすり合わせる。両耳行う。
※あまり強くやらないこと。1〜2cm軽くこする程度。
※スプーンでもOK。金属を軽くこすり合わせる音が 高い音ということ。
・・・・・・・・・・・・低 音・・・・・・
・・・・・・
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約9秒)
・・・・・・・・・・・・高 音・・・・・・・・・
・・・
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約7秒)
両方同じように聞こえれば低音は大丈夫。
聞こえにくい、左右で聞こえ方に差があるという方はレッドゾーン。
耳垢、中耳炎などの既往のほかに、メニエール病や、その前段階の急性低音障害型感音難聴の疑いあり。
聞こえにくい、左右で聞こえ方に差があるという方はレッドゾーン。
加齢によって聞こえが悪くなっている可能性や、聴神経腫瘍などの病気の疑いもあり。
(1)動きやすく、身近に危険なものがない場所で、まっすぐ立つ。
(2)両腕を前に伸ばす。このとき、自分の向いている方向を
しっかり覚えておくこと。
(3)眼をとじて、その場で30回、足踏みをする。
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約29秒)
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足踏みを終えたとき、
体の向きが最初の方向から左右45度以内におさまって
いればクリア。
●
左右いずれかに
45度以上回転していた場合は、レッドゾーン。
内耳の平衡器官に異常が起きている可能性がある。
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人体の中で最も複雑かつ重要な器官、脳。脳の病が恐ろしいのは、一旦発症すると死に直結しやすく、それを免れたとしても重い後遺症が残りやすいということ。脳は、血管が詰まったり腫瘍ができたとしても痛みを感じることができないため、早期発見が難しい。 脳の異常を早期発見するには、脳のどの部位で異常が起き始めているかを知ることが重要である。
今回の脳ドックは脳の中でもとりわけダメージを受けやすい2つの部位=
「前頭葉」
と
「小脳」
を徹底チェック。
前頭葉
…思考・判断・感情の抑制、運動の指令を司る部位。 脳の中で最も血管が多いため、
脳梗塞や脳出血が起きやすい。
(1)黒ペンで、線と線が1cm間隔になるように5重の渦巻きを2つ描く。
(2)赤ペンを使って、右手で右側の渦巻きの内側に赤い渦巻きを描く。制限時間15秒。
(3)左手で左側の渦巻きの内側に、赤い渦巻きを描く。制限時間15秒。
●赤い渦巻きが、3箇所以上黒い渦巻きにぶつかってしまった場合はレッドゾーン。
前頭葉の運動機能に異常がある可能性が考えられる。
●右手は左脳から、左手は右脳から運動指令がいくため、左右両手行うことで、前頭葉の運動機能全体を調べることができる。
小脳
…大脳からの運動指令を細かく整理し、全身の筋肉に正確に伝達する部位。
異常があると、筋肉の動きがバラバラになり、日常生活に重大な支障をきたしてしまう。
(1)黒ペンで「×」印を2つ書く
(2)右手で赤ペンを持ち、「×」印の中心から15cmの高さまで
持ち上げる。
※ペンの縦の長さが約15cmなので、目安に。
(3)「×」の中心にむかって、一定のリズムで点を10回打つ。
(4)左手でも同じことを行う。
検査方法を映像でもご覧になれます
(音は入っておりません)
(500Kbps,約57秒)
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利き手なら、赤い点が中心から8mm以上ずれた場合、反対の手なら、
10mm以上ずれた場合は、レッドゾーン。
小脳に異常がある可能性が考えられる。
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点を正確に打つには、小脳が肩と肘・上腕の筋肉に指令を出し、
細かく 動かさなくてはいけないため、小脳のチェックになる。
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右手は左脳が、左手は右脳が司っているため、左右両手で行うことで、
小脳全体を調べることができる。
◎何らかの原因で脳の活動が障害され、記憶や判断などの能力が不可逆的に衰えていく病気。 大きく分けると、アルツハイマー病と脳血管性認知症に分けられる。
神経細胞が変性し、脱落していく病気。
原因は未だ十分に解明されていない。
多発性脳梗塞など、脳の血管に起こった障害によって引き起こされる認知症。
◎現在のところ、記憶力や判断力などの能力を回復させることは難しいが、早期に発見し治療を始めれば、進行をゆっくりにさせることができる。また脳血管性認知症は、高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病をコントロールすることにより予防が可能である。
※RDSTテストで認知症の可能性をチェックできます。
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