メキシコ軍の赤外線カメラがとらえたUFOとみられる発光体(上)。ナスカの地上絵は宇宙人の仕業との説もある。宇宙人の存在はナゾだらけだ(いずれもロイター)(クリックで拡大) |
政府が初めて公式に否定したUFO(未確認飛行物体)論争は、その後、町村信孝官房長官が「絶対にいる」と私見を述べて“内閣不一致”にまで発展した。だが、未知現象研究家の矢追純一氏(72)をはじめとする専門家はおおむね冷静だ。国に調査の専門機関がなければ確認しようがない−とのことだが、日本の無関心が人類滅亡という最悪の事態を招きかねないと警鐘を鳴らしている。
矢追氏は、「政府にUFOに関して調査する専門機関がないため、政府は今まで調べたことがない、と説明しただけ」と冷ややかに受け止めた。ただ、UFOと真剣に向き合わない日本が人類を破滅に追い込むという可能性について、持論を展開する。
「国がUFOについて把握していないのなら、当然、自衛隊はUFOに遭遇した『もしも』の事態に備えていない。仮に遭遇してミサイルを発射したら敵対行動とみなされ、向こうが束になって攻撃してきたら勝ち目はない。下手をすると人類は全滅。宇宙戦争に国境は関係ないのだから、日本は他国に迷惑をかけぬようきちんと備えるべきではないか」
米国ではNASA(アメリカ航空宇宙局)が、スペースシャトルの乗組員らに「もしもの事態に備えた教育をしている」というのが専門家の一致した見解らしい。
国内でUFOを精力的に撮影しているUFO写真家、坂本廣司氏(61)は「アメリカからの外圧があった」と直感したという。
「日本と宇宙人が手を結んだら、アメリカにとって最大の脅威となる。アメリカはこの事実を知っている。だから日本政府に事実を公開しないよう圧力をかけてきた、と私は見ている」
UFO論争は今月10日、民主党の山根隆治参院議員=写真左=が「米大統領選の候補者がUFOについて言及するなど、世界中で関心が高まっている」として、政府に質問主意書を提出したことが発端となった。
米国では10月、民主党のクシニッチ大統領候補が「目撃した」と発言したほか、元アリゾナ州知事のシミント氏も1997年に目撃したと主張した。また、退役軍人らが国の調査再開を訴えるなど、UFOを巡る動きが急速に活発化している。
政府は山根氏への答弁書で「存在は確認していない」としたが、UFO論争は永田町に意外な波紋を広げた。
福田康夫首相は「私は、まだ確認していません」とかわしたが、町村官房長官は「個人的には、絶対いると思っている」と、政府見解とは異なる見解を示した。麻生太郎元外相も05年の参院総務委員会で、「お袋は『見た』といって、えらい興奮して帰ってきたことがあります」と答えたことがある。
山根氏は「今回の答弁書は、40年も前に『UFOは確認していない』とした米政府の見解を、そのまま日本政府の見解にしただけ。安全保障はすべて米国任せだ」と、対米追従に徹する政府の姿勢を批判している。
矢追氏によると、最近、メキシコ上空にUFOの大編隊がやってきたという。「信じる、信じないの論議をしている場合ではない」と早急な対策を促してはいるのだが…。
ZAKZAK 2007/12/19