兵庫県川西市にある携帯電話アンテナ基地局による電磁波で健康被害を受けたとして、付近住民がNTTドコモ関西などに基地局の撤去を求めていた公害調停が17日、大阪簡裁であり、住民側は調停を取り下げた。基地局を来年6月ごろまでに撤去することで双方が合意した。
同社によると、ドコモは川西市内の阪急バスターミナル内の土地約54平方メートルを借り、05年12月に基地局を稼働。その後、住民が耳鳴りなどの症状を訴えるようになり、今年5月、ドコモと阪急バスに対し撤去を求める調停を申し立てていた。
ドコモは健康被害と電磁波の因果関係を認めなかったが、阪急バスが賃貸契約解除の意向を示したため撤去を決めたという。
調停を申し立てたのは、住民約40人で結成した「電磁波公害をなくす会」の10人。メンバー20人に頭痛のほか、血糖値や血圧の上昇などの症状が出ているという。同会代表の山路須美子さん(64)も頭痛や不眠、白内障の進行に悩まされ続けてきた。撤去の決定に「ほっとしている」と話した。
毎日新聞 2007年12月19日 10時57分 (最終更新時間 12月19日 11時21分)