すでに報道などで、ご承知のことと存じますが、11月13日、私、安倍晋三は、本会議に出席致しました。内閣総理大臣を辞して以降今日まで、国民の皆様及び政府関係者、与野党関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを改めてお詫び申し上げるとともに、復帰に際して、ひと言お礼とご挨拶を申し上げたいと存じます。

　まず、私がお話し申し上げたいのは、私が辞意を表明するに至った理由です。巷間いろいろと言われておりますが、所信表明演説直後という最悪のタイミングに辞任表明をせざるを得なかったのは、私の体調悪化が極限にまで達していたことが原因のすべてです。体調の悪化が思考にまで影響を与えるようになってしまっては、総理としての責任を全うすることができないと、考えたからです。

　では、なぜそのことを辞意表明の場で述べなかったのか―。私は、内閣総理大臣の重職にあたるものは、在職中、自らの体調について、内外に公表するべきではないと考えていたからにほかなりません。しかし、そのことを述べなかったために、国民の皆様、また報道関係者の方々に誤解を与えてしまったとすれば、本意ではありませんし、それは痛恨の極みであります。あの折のことをこの場をお借りして、正直にお話しするとともに改めて深くお詫び申し上げます。

　辞任前、私は、日本の最重要課題として、テロ特措法の延長を掲げておりました。インド洋における洋上給油活動は、国際社会から期待されている大切な活動であり、同時に日本の海上交通路の確保という国益にも合致するものと確信しているからです。その意味でこのたび、新テロ対策特別措置法案が衆議院を通過してほっとしております。

　幸い、私の体調もかなり回復し、本会議にも出席できるようになりました。この法案が成立するまでには、まだ紆余曲折もあろうとは思います。今後は一政治家として、本会議にはなるべく出席し、まずはこの法案の成立に向けて責任を持って活動してゆきたいと考えております。国民の皆様、また先輩議員の方々のさらなるご鞭撻をお願い申し上げます。

　最後に、これまでのご迷惑に重ねて深くお詫び申し上げるとともに、私を応援してくださった多くの国民の皆様に衷心より感謝申し上げる次第です。

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