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診療報酬 実は0・8%分アップ? (2/2ページ)
改定率交渉に携わった自民党中堅議員は17日、「厚生労働省は言葉を濁すが、高齢者の医療負担増凍結で、医療費が1200億円増になり、0・38のプラス改定は実質倍になる」と説明した。
ただ、高齢者医療費の負担増凍結に伴う約1700億円の歳出増は19年度補正予算案に計上される。20年度予算編成で求められている社会保障費の2200億円抑制とは別枠となっており、膨張する医療費の歯止めに対する「抜け穴」との批判も少なくない。医療費の増加は患者負担の増加につながる。
ところが患者負担はこれにとどまらない。2200億円抑制のため、政府・与党は政府管掌健康保険(政管健保)の国庫負担を、大企業の健保組合や公務員の共済組合に1000億円分肩代わりさせることにした。
これはサラリーマンの保険料アップに直結するのだ。健康保険組合連合会(健保連)の試算によると、肩代わりでサラリーマンの保険料は年間平均約5000円増える。このため、企業側からは「高い収入の開業医が身を削らず、サラリーマンに医療費増大のツケを回している」との不満が渦巻いている。
「本体部分」の引き上げについては、勤務医の待遇改善が大きな理由として挙げられた。年明けから診療報酬の個別点数の見直し議論が始まるが、開業医の初再診料を引き下げ、勤務医の負担軽減の実現が図られなければ、世論の反発が一気に福田政権に向かう可能性もある。