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憂楽帳:医師と弁護士

 「弁護士増えるでしょ、頭痛いよ」

 大学病院の先生がため息をついた。

 弁護士が増えると、医療関係の訴訟が増え、リスクを抱える分野を志望する学生がさらに減るのが心配だと言うのだ。

 法曹人口の大幅増を盛り込んだ司法制度改革審議会の意見書が出された01年、法曹人口は2万1864人(うち弁護士は1万8246人)だった。改革で司法試験合格者は増え続け、今年4月の法曹人口は2万7398人になった。あと5年もすると01年の倍近くになる計算だ。

 弁護士と医師。ともに狭き門の代名詞とされてきた職業で、要員不足が指摘され、改革が進められてきた。

 「夜勤明けの午前中は診療、午後に手術。当たり前にあることですよ」。こんな話も別の医師から聞いた。訴訟リスクだけではなく、勤務医不足から生じる悪循環が医療現場には渦巻いている。

 政府は今年、「各都府県5人、北海道15人の大学医学部の臨時定員増」など緊急医師確保対策を打ち出した。が、「焼け石に水」の声も上がっている。

 弁護士でできたことなら医師でも、と思わずにいられない。【湯谷茂樹】

毎日新聞 2007年12月18日 大阪夕刊

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