きょう投開票される韓国大統領選は、土壇場に来てすさまじいことになった。本命候補に浮上した株価操作疑惑である 検察はシロと結論を出したが、韓国国会は大統領が任命する特別捜査官による再捜査を行うという法案を可決した。結果次第では、大統領の当選が無効になる波乱もある 隣国では政権交代のたびに旧政権の旧悪が指弾され、元大統領が被告席に座らされるという光景が続いてきた。今度は、ノーベル賞受賞の元大統領の恥部が暴かれるという風評も聞こえてくる。検察も巻き込むすさまじい権力争いである ロシアでは、大統領が退任後に首相の座に就く「院政」の動きが報じられている。秘密警察までも動員して選挙干渉をした揚げ句の政権維持だという。日本海を隔てた対岸での権力争いに比べれば、年金処理の「公約違反」に目くじらを立てるわが国の与野党対決が、何とお上品に映ることか 成熟した国、と自慢したいところである。が、「ねんきん特別便」を送りつけ、不始末のツケを国民に回すような官僚君臨の国でもある。強権を握る独裁者は論外だが、官僚退治に手を焼く権力者というのも頼りない。
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