ひとつの文字列から連想し得る多くの単語や綴りのバリエーションまでも含めて検出するようになっているようですね。大量に種類がある漢字・ひらがな・カタカナ・半角カナ・半角英数・全角英数・記号が混在する日本語環境で、なおかつ誤記・誤変換や文章が下手な人の投稿が多量に含まれるデータ内を検索するには、このような仕様は使いものにならないのですが。
おそらくは、自分で検索して調べるような向上心があるユーザに居着かれると質問数が減ってしまうと考えた運営担当者が、わざと使えない仕様を採用して気づかぬフリを決め込んでいるんでしょう。ちなみに、投稿内 URL 末尾のフラグメント識別子 (「#」以降) が欠落するバグも同様。改善してしまうと WinFAQ の各項目に気持ちよくリンクしてしまい、回答数までが減ってしまいかねませんからね。
Internet Explorer の XHTML/CSS 長期バグ放置を例に出すまでもなく、これは Microsoft 社が伝統的によくやる浮動ユーザ層 (ライトユーザ) を囲い込む手法のひとつです。多くのライトユーザというのは深く考えることを嫌い、与えられたもの以外を知らず、自分の目の前にあるものが「普通」だと根拠なく思い込む傾向が強く、なおかつ最初に身につけた形から抜け出ようとしない傾向を併せ持ちます。この大衆心理を悪用し、世の中の大半を占める浮動ユーザ層を固定客に変えてしまおうという手法です。
これがまんまと成功した暁にはライバル他社のシェアが減り、「事実上の標準」「業界標準」などと豪語でき、子分をゾロゾロ引き連れて我が物顔でやりたい放題にできます。この手法は時には失敗することもありますが、なぁに、そうなったらなったで無かったことにして知らんふりしてりゃいいんです。浮動ユーザ層ってのは、都合の悪いことはすぐに忘れてくれます (本当は忘れるのではなく、過去を知らない若い層/新しい層と入れ代わっていくだけの話ですが)。
こういう企業体質ですから、別人のフリをする目的で1人で複数のアカウントを取得して会員数の数字アップに貢献し運営担当者を内心喜ばせるようなことをしている会員を見ると、「なんと愚かなんだろう」と思ってしまいます。おっと、とりとめもなく余談を書いてしまいました。