倉敷チボリ公園(倉敷市寿町)を運営するチボリ・ジャパン(TJ)社の取締役会が17日、岡山市内で開かれ、デンマークのチボリ・インターナショナル(TI)社と名称の継続使用の再交渉をしない方針を確認した。これに伴いTJ社は、09年以降県市の地代負担なしで経営する方針を来年1月の取締役会で示し、議論することを決めた。これまでのチボリ事業は根底から崩れ、最終局面を迎える。 取締役会は非公開で開かれ、終了後、坂口正行社長と石井知事が記者会見した。 取締役会では、16日にデンマークで行われた両社の会談で、TI社は名称使用の条件としてこれまで同様、大型遊具などへの投資が必要と主張したことが報告された。再交渉を主張する取締役もいたが、投資に必要な資金調達の力がなく、名称使用が可能になった場合でも県と倉敷市が公的支援をしない方針は変わらないため、再交渉は現実的ではないとの認識で一致したという。 石井知事は「私は『結論を出すべき時期になった』と申し上げたところ、賛同される方がかなりいた。会社経営の方向性も議論したかったが、坂口社長に検討してもらい、1月中旬に取締役会を開こうという意見が多数を占めた」と述べた。 県が年内に示す予定だった公園の方向性は越年となるが、20日の召集を求めている県議会の臨時会は「開会中に議論してほしいという考えは変わらない」と、予定通り開会を求める考えを強調。 さらに「今回の取締役会で、さらに選択が狭まったことは示せる」とし、地権者のクラボウ(大阪市)による開発など、民間主導への転換の可能性を示唆した。 同社とのトップ会談については、TJ社の方向性が出て以降という認識を示した。 一方、坂口社長は「早急に、地代負担ゼロを前提に会社の在り方を協議する。(資本金や規模など)将来の姿を複数案準備していくことになる」との見通しだが、方針は「満場一致でなければならない」としており、次回の取締役の判断が注目される。