JR岡山駅などの案内板に日本語のほか英語、中国語、ハングル語が併記されている。外国人観光客が増えたからだろう。
進展する国際化への当然の対応だが、今月初めに岡山市で暮らす外国人が市内の案内板を調査したところ、岡山駅のバス乗り場や市役所で分かりにくさが指摘された。貴重な意見として改善につなげる必要がある。
県内の外国人登録者は法務省の統計によると二〇〇五年末に二万人を突破した。県人口の1%超である。中国、韓国、ブラジルの国籍が多数を占める。留学生には、マレーシア、インドネシア、トルコ、バングラデシュなどと、多国籍化が目立つ。
増加する外国人とどうすれば仲良く付き合っていけるかは重要な課題だ。全国町村会発行の町村週報(十一月五日号)は、外国人の割合が約16%と日本で最も高いといわれる群馬県大泉町の実情を紹介していた。工業の町であり、ブラジル人などが働く。
かつては数年間の出稼ぎが目的だったが、最近は定住化傾向が顕著になってきた。一時的な滞在者ではなく、地域住民、あるいは生活者としての受け入れが求められだした。だが、生活ルールを理解できない人もいてごみの出し方でもトラブルになる。
大泉町は、秩序ある多文化共生のまちづくりを目指している。まだ手探り状態のようだが、前向きの取り組みを見習いたい。