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携帯基地局撤去へ 住民「健康被害」、ドコモは認めず

2007年12月18日10時16分

 携帯電話のアンテナ基地局が発する電磁波で健康被害を受けたとして、兵庫県川西市の住民10人が、NTTドコモ関西(大阪市)と、基地局の土地を所有する阪急バス(大阪府池田市)に対し、基地局の撤去を求めた公害調停が17日、大阪簡裁であった。双方はドコモが来年4月ごろまでに撤去することで合意し、住民は調停を取り下げた。阪急バスが住民の意向を踏まえてドコモへの賃貸契約を解除すると決めたため、ドコモは健康被害を認めない形で撤去を受け入れた。

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撤去されることが決まったNTTドコモ関西の基地局アンテナ=17日午後、兵庫県川西市で

 総務省によると、稼働中の携帯基地局が健康不安を訴える住民の反対で撤去されるケースは、把握する限り全国で初めてという。

 調停申立書によると、NTTドコモ関西は05年1月、川西市清和台西1丁目の阪急バスターミナル内の土地約54平方メートルを借り受ける契約を交わし、同12月に携帯基地局(高さ20メートル)を設けた。稼働後、住民が耳鳴りや吐き気、不眠などの症状を訴えるようになったとして、地元自治会は「基地局が発する電磁波が原因だ」とドコモに稼働中止を要請。ドコモ側は受け入れなかった。

 住民は今年5月に公害調停を申し立てたが、ドコモ側は答弁書で「基地局の発する電磁波は微弱で、健康には悪影響を及ぼさない」と反論。一方、阪急バスは6月、「住民の意向を踏まえ、早急に撤去してほしい」と、来年6月で土地の賃貸契約を解除することをドコモに通知した。関係者によると、ドコモは17日の非公開の調停で、来年4月ごろまでに撤去すると表明し、住民側は調停を取り下げた。

 調停に参加した住民の山路須美子さん(64)は「ようやく少し安心して暮らせるようになる」と話した。

 NTTドコモ関西の広報担当者は「住民の主張に根拠はないと考えるが、地権者からの申し入れなので撤去に応じざるを得なかった」と話す。

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