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【記者ブログ】まさか40年ぶり“国外退去”? 福島香織 (5/6ページ)
このニュースのトピックス:福島香織の北京特派員記者ブログ
■今のところはまだ、中国は五輪を国威発揚とか民衆の不満をそらす「サーカス」、あるいはビジネスチャンスくらいにしか、考えていないようで、国際スタンダードに従う、というより、北京五輪に参加したかったら、みなさん中国スタンダードになれてください、といわんばかりの態度です。報道も中国スタンダードでしきるべく、国内外メディアに対する管理、監視は日を追って厳しくなっています。とくに海外メディアに気に入らない取材、報道があると、拘束、呼び出し、警告、ビザを出さないなどの嫌がらせが、今年になって急増しました。NHKの「激流中国」もそうですよね。FCC(外国人記者クラブ)の調査では今年上半期だけで、当局による外国記者への嫌がらせ、取材妨害は157件。昨年のFCCの発表では04年から06年6月までで、72件くらいだったので、確かに急増です。
■郷に入れば郷に従え、ということわざはありますが、それをいうなら、中国の方が国際社会の仲間入りをしたわけですから、責任ある大国として、国際スタンダードを受け入れる必要があると思うのです。外国記者が報じる記事内容が気に入らないと、すぐ取材妨害や嫌がらせをして、あまつさえ記者証更新を理由もいわずに保留したりするなど、国際社会の中で重要な役割を担う大国のすることではないですよね。中国があくまで中国スタンダードを押し通そうとすれば、必ずその限界にぶち当たると思います。その最初の壁が、2万人以上の外国記者が一斉に取材する北京五輪。国際スタンダードと中国スタンダードがぶつかり合うコメディア・デラルテ(どたばた喜劇)がいたるところで展開されるのでは。う〜、現場でみたいなあ。