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【記者ブログ】まさか40年ぶり“国外退去”? 福島香織 (4/6ページ)

2007.12.18 12:34
このニュースのトピックス福島香織の北京特派員記者ブログ

■私は大学では美学(演劇学)を学び、別に中国語学科でも国際関係学科でもない門外漢なのですが、今後予想しうる世界で一番ドラマチックな出来事は、きっと世界最大の独裁国家の民主化、と勝手に思い、産経新聞に中国総局のない時代から、北京特派員になりたいです!とアピールしていました。入社当時は、演劇記者志望だったんですよ。で、長年の水面下工作が実って中国総局が開設される年に、上海に業務留学させてもらったわけです。念願かなって北京特派員にはなりましたが、真の野望は、世界最大級の体制変革劇の“劇評“を書くことですから、今、現場をおわれるということは、せっかくがんばってプレミアムチケットを手に入れたのに、開幕ベルが鳴る直前に、発生モノの呼び出しをくらって泣く泣く、劇場を後にする察回り記者(警察担当記者)の心境です。

■北京は来年8月、五輪を迎えます。五輪というのはなにか。平和とスポーツの国際的祭典です。建前といえば建前ですが、世界の国々の選手が、政治的思想的違いを超えて、統一のルールにのっとって、28競技302種目を競い合うわけです。いえ、競技のルールだけではなく、報道をはじめ、食の安全、環境意識、常識、マナーなど五輪にかかわるあらゆる人、事象に国際スタンダードが適用される。それが五輪です。ついでにいうと「民主」という価値観も、国際スタンダードの重要な一部です。で、五輪に参加する=国際スタンダードに従う=民主化がすすむ、のは必然だと、私は思っています。

■中国は、「中国の特色ある」「国情により」という言葉を多用することからもわかるように、経済、外交、メディアのあり方、人権や民主の定義にいたるまで、あらゆる場面で中国スタンダードを振りかざす国でした。しかし、北京が五輪を招致したとき、おお、かの国もいよいよ、中国スタンダードから国際スタンダードに脱皮する時期にきたか、という感慨を覚えました。インターネットによる情報・知識のグローバリズム、WTO加盟による経済の国際化に続く国際スタンダードを体感する五輪開催が、きっと今世紀最高の国際政治ドラマの開幕ベルとなろう、と。

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