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【記者ブログ】まさか40年ぶり“国外退去”? 福島香織 (3/6ページ)

2007.12.18 12:34
このニュースのトピックス福島香織の北京特派員記者ブログ

■ところで、産経新聞本社のえらい人に、「記者証更新してもらえないんです、このままだと国外退去になってしまいます」と訴えると、なんか目を輝かせて「おお、そうなったら正月元旦の1面トップだな。見出しは『本紙女性記者 事実上の国外退去』『北京五輪イヤー、不安な幕開け』できまりだな。五輪直前だし、これはAP、ロイターもキャリーするぞ?」と、すごくうれしそうでした。産経新聞としては今年、文革報道の柴田穂記者の国外退去から40周年なので、「本当に福島が追放になったら、編集局総力をあげて大キャンペーン」だそうです。新聞社の人間の思考回路は理解していたつもりですが、記者として現場を追われるどうかという、不安にさいなまれている病み上がりの福島には、その喜びようは、いたく堪えました。ええ、正直、中国外務省の嫌がらせより堪えます(涙)。

■確かに、日本人記者の五輪直前の国外退去、それも法令違反ではない記事や本の内容が問題(公式の理由は聞いてませんが)となったとすると、そりゃ大ニュースでしょうよ。日本の外務省が抗議のひとつもしてくれたり、日中記者交換協定(中国の日本人記者枠と日本の中国人記者枠は同じ数という原則)をたてに新華社特派員の1人減措置とかなってしまうと(ありえないか?)、国際問題化してしまう可能性も。

■日本人記者で、最後に国外追放になったのは1998年、読売新聞の中津幸久記者でした。ただ、中津記者は正真正銘の敏腕記者で「国家機密に違法に取得した」などかっこいい理由がありましたが、もし、私が強制退去させられるとしたら、理由は何?ブログで、中国のイメージを傷つけた?非友好的記事が多い?う、それはあまりにまぬけな理由。そんなことになったらブログ本はきっとまた増刷になって、喜ぶのは産経新聞出版社と印税をもらえる産経新聞社だけです。(私は印税をもらえるわけではないらしい。金一封くらい?)もう、中国って、どれほどフジ・産経グループを喜ばせたら気が済むのか。

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