2007-12-18

なんで著作権法38条が話題にのぼらないんだ?

みくみくにしてあげる♪JASRAC登録事件

みっくみくがJASRACされた?!(訂正というか続き?)

この手の話が持ち上がるたびに毎回思うんだが、なんで著作権法38条を改正しようと主張する人がいないんだろうか?JASRACネットで嫌われている存在である。理由はいろいろがあるが、なかにはJASRACじゃなくて、著作権法が悪いだろと突っ込みたくなるような理由も多々ある。例えば非営利目的MIDIアップロードの取り締まりだ。これはJASRACではなく著作権法のほうが悪い。大雑把に言えば営利を目的としない限り、公園などで他人が作った歌を歌っても著作権侵害にならない。これは著作権法38条による。

公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
しかしネットではこれはできない。38条にはネットで配信する行為は含まれていないからだ。だからJASRACは金にもならないのにいちいちMIDIを取り締まらなきゃならなくなる。JASRACは信託契約によって権利を取得しているが、同時にその信託契約によって元の権利者のために動かなければならない。だから違法な行為はお金にならなくても取り締まらなきゃならない。MIDIの取り締まりはJASRACではなく、著作権法が悪い。この初音ミクの問題も同じだ。非営利目的でもお金を払わない限り、ネットでは使えなくなるのは作者でもJASRACも悪くない。ネット以外では非営利であれば著作権を侵害しないのに、ネットになると非営利であっても著作権を侵害する規定になっている著作権法の方が根本的に悪い。作者を金の亡者のごとく批判している人だって営利目的に使われるなら、作者にお金が入ることに異論はないだろう。作者が営利目的に使われる場合の交渉なんかを嫌がってJASRACに信託するのは別に批判されることではない。またJASRACも信託された以上、その著作物に対する侵害行為はお金にならなくても契約の義務上見逃せなくなる。作者やJASRACをたたくのは木を見て森を見ない行為だ。著作権法38条を改正して、自分で他人の曲を演奏したものをネットで配信する行為なども非営利である限り合法化すべきだ。著作権法38条を改正すれば、MIDIや今回のような初音ミクなんかの個々の問題だけじゃなく他の問題も解決できて効率的。非営利目的無料で公開した演劇ネットで配信すれば今は違法だけど、これも改正すればできるようになる。作者やJASRACを叩くよりも著作権法38条を改正するのがいいのだ。個人的にはこの増田の記事のように改正すべきだって主張してるんだけど、JASRACというだけで思考停止している人が多いんだよな。この種のことをいうとJASRACを一部擁護してるせいかそこだけしか見ずJASRACの社員扱いされる。まさしく「真に恐れるべきは有能な敵では無く無能な味方である」だな。

この記事もJASRACの職員扱いされるんだろうな。無能な味方が多すぎて笑うしかない。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20071218190036
  • http://anond.hatelabo.jp/20071218190036

    いや、MIDIはだいぶ金になったと思う。カラオケと着メロで。 カラオケに著作権を認めたのは、当時文部省の一役人がカラオケの達人だったことがきっかけだったみたいだが。 ちなみにこ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20071218190036

     詳しくは中山先生の「著作権法」を読んでいただきたいのですが、基本的に公衆送信(ネットもこれに該当)は、著作者に与えるダメージが大きいという結論になります。ネットだけだ...