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容疑者の銃部品預からず 県警「強制力ない」と弁明
このニュースのトピックス:凶悪事件
長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件を起こした馬込政義容疑者(37)に対し、佐世保署が2年前に銃を使用できなくするため、銃身を手で支える「先台(さきだい)」と呼ばれる部品を署に預けるよう要請しながら実際には預からず、うやむやになっていたことが18日、分かった。
馬込容疑者は先台の提出に同意したが、持参しなかったという。佐世保署の前田健次郎副署長は「預けるかどうかは任意であって強制力はない。警察としてやるべきことはやっていた」と弁明している。
警察庁などによると、馬込容疑者に奇異な行動があるとして近隣住民が平成17年4月9日に駐在所に相談。馬込容疑者の銃所持許可を取り消すよう申し入れた。
駐在所員は佐世保署に報告。通報者の家族は佐世保署の担当者に、馬込容疑者が夜中にトイレを借りに来たり「家から電波が出ている」と語るなど不審な言動があることを説明した。
しかし、同署は所持許可更新時の医師の診断書に問題がないことや、不審な言動が15年ごろの出来事だったため「緊急に銃を取り上げる根拠はない」と判断。
馬込容疑者に電話し「狩猟期間以外は先台を署に預けたらどうか」と要請したが、馬込容疑者は先台を持参せず、同署も提出を催促しなかった。
泉信也国家公安委員長は閣議後会見で「市民からの情報の扱い方に落ち度がなかったかどうか検証したい。銃の許可や更新時の審査のやり方についても、考えてみる必要がある」と指摘。
佐世保署の前田副署長は「当時の対応に問題があったかどうかは、事件が起きてしまった現時点では申し上げにくい」としている。