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シナリオライター
渡邉 睦月
- わたなべ・むつき - |
わたなべ・むつき
専修大学大学院国文学専攻修士課程修了。(社)シナリオ作家協会のシナリオ講座修了後、シナリオライターに。世田谷文学賞、大伴昌司賞・佳作奨励賞、テレビ朝日・21世紀シナリオ大賞優秀賞受賞。代表作に「逃亡者」「太陽の季節」「ケータイ刑事」など。
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三谷幸喜さんの「古畑任三郎」に影響を受け、ドラマを見た翌日にはシナリオライターを目指したという渡邉睦月さん。シナリオライターとして6年のキャリアをもち、現在は、竹野内豊さん、チェ・ジウさん共演で話題のTBSドラマ「輪舞曲〜RONDO〜」の脚本を手がけています。
今月は、連続ドラマを中心に、単発ドラマ、映画、舞台の脚本まで幅広い作品を執筆されている渡邉さんに、シナリオライターの仕事内容についてお話を伺いました。
主に連続ドラマの脚本を手がけていらっしゃいますが、企画をテレビ局に持ち込まれてドラマ化が決定するのですか?
脚本家が企画を持ち込むこともありますが、キャスティングにあわせて企画を考えるケースも多いですね。「輪舞曲〜RONDO〜」の場合も、竹野内豊さんとチェ・ジウさんによる、どんなストーリーのドラマにするかという話し合いからスタートしました。ストーリーの大筋を決め、役者さんのイメージが固まってきたところで、連ドラの場合には11話分の展開を決めます。具体的にシナリオを書き始めるのは、この後からになります。 |
話し合いをしながらストーリーを決めていくんですね。実際にシナリオを書く場合には、事前調査をすることもあるのですか?
作品にもよりますが、歴史物の場合だと相当の量の資料を読みます。それから、現地に行くこともありますね。昨年、日航ジャンボ機墜落に関するドラマのシナリオを依頼された時には、御巣鷹山に追悼に行ってから書き始めました。「輪舞曲〜RONDO〜」の場合にも、韓国に取材に行っているんですよ。
この仕事は、いろいろな分野のことを書かなければならないので、自分の知識だけではなかなか対応できません。必要な知識をそのつど補強しながら書き進めていく感じですね。
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現地まで取材に行かれたりもするんですね。ところで撮影の現場に行かれることもあるんですか?
本当は行くべきなんですが、なかなか。シナリオライターは書き直すのが仕事といってもいいほど、何回も書き直さないといけませんので、制作中は家とテレビ局の往復の毎日なんです。スケジュールが詰まってくると、局に泊まり込んで書き直すこともあります。 |
そうなんですか。2〜3度手直しをしたら、すぐ台本になるのかと思っていました。
いいえ。プロデューサーの意見、監督の意見、役者さんのアイディアなど、そういうものを盛り込んで、何度も直して、完成させていくんです。その意味で、シナリオライターには次の5箇条が必要だと私は思っています。
一番目は体力。二番目はスピード。打ち合わせをしたその日の夜までに仕上げてほしいと言われることもありますので、寝ないで書き上げられるような体力と、速さが必要です。三番目は、ハッタリ。そういうと聞こえが悪いですが、どんなにつらくても涼しい顔をして大丈夫ですと言わなければなりません。四番目は柔軟性。いろいろな方の意見に耳を傾けなければなりませんから、我が強すぎると難しいですね。五番目は、愛情です。やはり、仕事が好きだという気持ちがなければ続けることはできません。
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感性だけが求められる仕事ではないことがよく分かりました。最後に、この仕事の魅力について教えてください。
自分が書いたものを土台として、監督が演出して役者さんが演じて、大勢の制作スタッフの方々が動いてくれて、そうしていろんな人の手を通って産まれた映像を見るのはすごく感動するんです。それがこの仕事の魅力です。
仕事をしている間は辛いこともあるのですが、できあがった作品を見ると、また続けようと思います(笑)
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シナリオライターを目指す人へ! |
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シナリオライターは、皆さんに楽しい時間を提供することができて、自分も楽しむことができる、やりがいのある仕事だと思います。これから目指す場合には、構成がうまいとか、セリフが上手であるとか、コメディが得意であるとか、何か一つ得意分野をもつことが強みになると思います。あとは何より耐久力が重要です。 |
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24:00
プロデューサーから構成・直しの相談の電話 |
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24:30
修正を始める前に、仮眠 |
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03:00
シナリオの修正作業を開始。朝9時頃まで行う |
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12:00
修正したシナリオを持ってテレビ局で打ち合わせ。打ち合わせ後、さらに修正 |
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16:00
休憩 |
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18:00
ディレクターが入って打ち合わせ。その内容を受けて、深夜まで修正 |
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26:00
帰宅 |
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何度も打ち合わせを重ねながらシナリオを仕上げていく。連ドラ1話〜11話までの制作期間は6カ月程度
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「輪舞曲〜RONDO〜」の第6稿のシナリオと、台本。ドラマの後半では、韓国の歴史や現状に絡んだ展開になる予定だそうだ
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テレビ局に泊まってシナリオの書き直しをすることもある。今日は遅くなりそうと思ったら、着替えなどの準備をしていくそうだ
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多い時には5作品以上を掛け持ちすることもあり、ほとんど休みがない状態。プライベートでは1年前からフラメンコを習い始め、半年前からチワワを飼い始めたそう
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