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住民がヘリ離着陸場造った 広島県安芸太田町那須 '07/12/18

 ▽消防が上空調査、緊急使用は可能

 山中にあるため大雪や豪雨などの災害時に孤立しやすい広島県安芸太田町那須(十七人)の住民が、耕作放棄地周辺の木を伐採するなどして救急搬送用のヘリコプター離着陸場を造った。住民自ら手作りするのは県内でも珍しい取り組み。十七日は、同町を管轄する広島市消防航空隊のヘリコプターが緊急時に使えるかどうか上空から現地調査した。

 住民は今月上旬、ヘリコプターが上空に進入できるように、縦約十メートル、横約十五メートルの耕作放棄地周辺のスギ約三十本を切り倒した。この日、市消防のヘリコプターは住民や町職員ら二十人に見守られながら上空約三十メートルでホバリングして調査。緊急時の着陸は可能と確認した。

 ただ、災害などの緊急時を除くと消防などのヘリコプターが、国の許可を得て離着陸が可能となる正式な離着陸場として使用するには広さや地面形状などに問題があるという。そのため、町は周辺の斜面に盛り土をして縦二十メートル、横三十メートルの平地に整地し、コンクリート張りにするなどの方策を検討する。

 那須地区は一昨年の台風で県道が崩落、一時孤立するなど、住民は危機感を募らせている。正式な離着陸場用に使えるのならば地元は耕作放棄地や周辺の土地を町に提供する。藤本兼人行政区長(77)は「山に囲まれた上、年寄りばかり。突発の災害に備え、何とか正式な離着陸場を実現させたい」と話している。(江川裕介)

【写真説明】上空で調査する広島市消防航空隊のヘリコプターを見守る那須の住民たち




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