増田寛也総務相は18日の閣議に2007年版消防白書を報告し、了承を得た。06年中の救急車などによる救急出動は524万件。前年を初めて下回ったが、3年連続の500万件台で高い水準が続いている。現場に到着するまでの平均所要時間も延びる傾向にあり、消防庁は緊急性の低い利用を控えるよう呼び掛けている。
救急出動件数は1996年に比べ約55%増えた。半面、全国の救急隊数は約10%の増加にとどまっている。この結果、救急車の現場到着までの平均所要時間は96年に6分だったのが、06年には6.6分となった。白書は「タクシー代わりの利用や事前予約のある外来通院なども少なくない」などとして利用実態の問題点を指摘している。
06年中の出火件数は67年以来、最も少ない約5万3000件。ただ、住宅火災での死者数は1187人と4年連続で1000人を超えた。そのうち65歳以上の高齢者が58%を占める。(14:23)