周産期医療の危機に声明/産科婦人科学会

 産科や小児科の勤務医の負担軽減を緊急課題と位置付けて厚生労働省が来年度の診療報酬改定に向け「産科・小児科の重点評価」に関する議論を進める中、日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)は12月18日までに、「政府は、改定の目的が勤務医の負担軽減・待遇改善であることを明確に示すこと」「都道府県は、各病院が現場の医師の勤務条件の改善と適正な報酬の支給を行うよう指導・誘導すること」などとする声明を出した。

 産科・小児科医の激務やそれによって引き起こる医師不足の改善を求める声を受けて、診療報酬の改定に向けて審議する厚生労働省は、今月発表した来年度の診療報酬改定の基本方針の中に、「産科・小児科の重点評価」を明記している。
 同学会はこのような流れについて「私たちの要望に沿ったものであり、関係者の尽力に感謝する」と評価するとともに、周産期医療の危機的状況を打開するさらなる方向性を示すため、今回の声明に至った。

 求めたのは、▽政府は、診療報酬改定の基本方針における「産科・小児科の重点評価」の目的が、勤務医の負担軽減と待遇改善であることを明確に示すこと▽都道府県は、各病院が現場の医師の勤務条件の改善と適正な報酬の支給を行うよう指導・誘導すること▽高次周産期医療を提供する病院は、周産期医療に従事する医師の勤務条件改善に努めるとともに、救急対応への適正な報酬を支給すること―などの4項目。

 目的の明確化については「診療報酬改定による病院の収入増が直ちに医師の待遇改善に結びつくわけではない」と指摘。「政府が明確に示すことで、各病院に対して最大限の努力を促すことが必要」と説明している。
 また、都道府県ごとの指導・誘導については、協力指定病院で登録産科医がハイリスク分娩を実施した場合、県が一定の助成を行う「ハイリスク分娩受入促進事業」が栃木県で実施されていることなどを例として挙げている。


更新:2007/12/18   キャリアブレイン

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