◇父は前向きに受け止め
下関市立川中中で自殺した3年生の安部直美さん(当時15歳)の遺族に17日、県警が部分開示した捜査文書には、遺族と市教委の見解が食い違う自殺の原因を示す内容は含まれていなかった。しかし父慶光さん(50)は「娘のことが分かる資料が一つ増えた。よく対応してもらえたと思っている」と前向きに受け止めた。
県個人情報保護条例は原則本人だけに請求権を認めている。今回、慶光さんは亡くなった未成年の直美さんに代わって請求した。原因究明につながるとみられる自殺前の言動などは、教諭ら遺族以外の第三者の聴取内容だとして黒塗りとなり、分からなかった。
慶光さんは11月1日、条例に基づいて自殺について捜査した内容が分かる文書の開示を請求。県警は今月7日、部分開示方針を遺族に通知した。県警によると条例に基づく文書開示請求は06年度以降、十数件しか例がないという。
遺族は今年6月、山口地方法務局がいじめ事件として独自調査した内容を行政機関個人情報保護法に基づき開示請求した。法務局側は記録の一部を開示したが、今回と同様に関係者への聴取内容やいじめがあったと認定した理由は黒塗りだった。【福島祥】
〔下関版〕
毎日新聞 2007年12月18日