「風説の流布」、転売益で組長に返済
「携帯電話がかけ放題になる」といううたい文句で、上場会社の株価がつり上げられた事件の初公判で、風説の流布の罪に問われた金融ブローカーが、株の転売益15億円のうち、半分を暴力団組長らへの借金返済に充てていたことが分かりました。 時効直前に都内の潜伏先で逮捕された金融ブローカーの、大場武生被告(48)。大場被告は5年前、上場会社の株価をつり上げるため、この会社の子会社に「携帯電話がかけ放題になる」という実現の見通しのない新規事業の発表をさせたとして、証券取引法違反の風説の流布の罪に問われています。 18日の初公判で大場被告は起訴事実を認める一方で、「当時、事業が開始される見込みが全くないとは思わなかった」と述べました。 一方、検察側は冒頭陳述で、「大場被告は携帯電話がかけ放題になるという発表の3ヶ月前までには、事業が実現不可能と認識していた」と指摘、「大場被告が株の転売で15億9000万円の利益を得ていて、このうち半分程度を暴力団組長らへの借金返済に充てたと供述している」と明らかにしました。(18日11:25)
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