甘利明経済産業相は18日の閣議後の記者会見で、日中両政府が対立する東シナ海のガス田開発問題について、年末で調整する福田康夫首相の中国訪問時での合意は難しいとの認識を示した。経産相は「まだまだ開きがある。首脳会談でまとまる可能性は極めて低い」と指摘した。「政治的スケジュールとして胡錦濤国家主席の来日がある」とも語り、来年4月を想定する日中首脳会談に決着がずれ込む可能性を示唆した。
町村信孝官房長官は18日の記者会見で、首相の訪中に関し「(ガス田問題の解決が)セットしなければ訪中できないという絶対的な必要条件とは思わない」と強調。高村正彦外相も「今のところ残念ながら進展はない」と厳しい見通しを示した。日中両政府は2004年からガス田協議を続けている。共同開発を軸に打開策を模索しているが、双方が主張する排他的経済水域(EEZ)の問題とも絡み難航している。
外相は「お互いがじりじり歩み寄っていくというよりも大きな政治決断がなければ解決しない」とも述べて、中国側の譲歩を促した。
(14:08)