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銃にレーザー照準装置 命中精度高まる 長崎乱射事件

2007年12月18日07時59分

 長崎県佐世保市のスポーツクラブで起きた散弾銃乱射事件で、無職馬込政義容疑者(37)=同市船越町=の散弾銃から赤い光線が照射されていたことが、現場で目撃したクラブ会員らの証言でわかった。命中精度を高めるため標的に赤いレーザー光線を当てる射撃用照準装置を装着していたとみられる。特に、殺傷力の大きい単発弾(スラッグ弾)の射撃精度を上げる目的だった可能性があり、県警の捜査本部は馬込容疑者の明確な殺意の裏付けとなるとみて、押収物の分析を進めている。

 調べでは、馬込容疑者は14日午後7時10分ごろ、迷彩服姿で散弾銃を手に同クラブに侵入し、プールや事務室で十数発を発砲。知人の漁具販売業藤本勇司さん(36)=同市鹿子前(かしまえ)町=と、同クラブアルバイト従業員倉本舞衣さん(26)=同市権常寺(ごんじょうじ)町=を殺害し、6人にけがをさせたとされる。

 現場にいたクラブ会員らの目撃情報によると、馬込容疑者が銃を向けた先には赤い光が浮かんでいた。銃を構え、光が照らした先を確認してから発砲しているように見えたという。会員の一人は「アクション映画に登場する兵士のような感じだった。光がこちらに向いてきたので、撃たれると思って逃げた」と話す。

 調べによると、藤本さんと倉本さんはいずれも散弾のほかに単発弾でも撃たれていた。銃器関連の装備品を扱う業者によると、射程が長い単発弾を撃つ際には、命中精度を高めるためスコープとともにレーザー装置を装着することがある。装置は1万円ほどで、通信販売でも入手できるという。

 県警によると、馬込容疑者は遺体で発見された時は黒色の軍用ベストや革手袋も着けていた。付近には、約180発の銃弾が入ったベストや迷彩柄の布を巻いた鉄製ヘルメットもあった。逃走に使った車からは約100発の単発弾を含む約2500発の弾や迷彩色のバッグが見つかり、自宅から防弾チョッキやスコープのカタログが押収されている。

 県警幹部は「馬込容疑者は軍マニアだった可能性がある。服装などから判断すれば、犯行時に自分をプロっぽく見せようという意識もあったのではないか」と話している。

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