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せっかちでケバケバしくて粗忽。でも… 英紙東京支局長の見たOSAKA
このニュースのトピックス:欧州
【ロンドン=木村正人】「日本第2の都市はせっかちでケバケバしくて粗忽。しかし、魅力的でのびのびしている」−大阪の魅力を見事に言い表した論評が週末の英紙フィナンシャル・タイムズの生活・芸術面に大きく掲載された。「東京だけがすべてではない」。大阪の人が読めば泣いて喜びそうな大阪論が展開されている。
「大阪が好きだ。はっきり言うと、東京ではないからだ」。東京よりも大阪に親近感を持っていると見受けられる同紙のデイビッド・ピリング東京支局長が執筆。大阪・ミナミにあるグリコの巨大ネオンサインの写真も掲載されている。
同支局長は、大阪ではエスカレーターの右側に利用者は立ち、開いた左側を先を急ぐ利用者が大またで駆け上がる様子を紹介。東京はまったく逆と説明する。続いて、目立ちすぎるネオンサインや動く巨大なカニのディスプレイ、お笑い芸人の大阪弁など、とにかく派手で騒々しい大阪の風景を軽妙なタッチで描写していく。
1985年に阪神タイガースが優勝した際、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形が道頓堀川に投げ込まれ、その後、阪神が再び優勝から遠ざかった。このため、「カーネルの呪い」と呼ばれているエピソードにも筆は及ぶ。
世界を代表する高級経済紙の支局長だけに、商都として栄えた大阪の歴史にも触れ、1730年に開設された堂島米会所は世界初の整備された先物取引市場だったと称賛するのも忘れない。
しかし、クライマックスはここからだ。同支局長は大阪への旅の仕上げにラーメン屋台を訪れた。その時、ネズミが出現。東京では間違いなくパニックになるが、大阪の客はかわいい犬でも見るかのように意に介する様子もなく、ラーメンを平らげたという。同支局長は「この瞬間こそが私の大阪なのだ」と締めくくっている。