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食材値上げ 給食に影響

2007年12月17日

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「いただきま〜す」。笑顔で給食をほおばる子どもたち=横浜市西区の市立東小学校で

  「牛肉は豚肉に」「デザートはなし」。横浜市を始め、県内で食品の値上がりによる学校給食への影響が深刻だ。食材の購入費が、保護者から集める給食費を上回りかねないからだ。経費を抑えつつ栄養を確保するため、関係者は頭を悩ませ、工夫を重ねている。

(田村剛)

  横浜市で給食サービスがあるのは、小学校347校と特別支援学校9校。市学校給食会から食材を調達し、各校で調理している。給食は年間184回が基本。給食費は月3700円、11カ月分計4万700円で、追加徴収は認められていない。

  1食あたりの上限単価は221円20銭。この額を上回らないよう市教委が見込み単価を設定し、基準献立を決めている。

  市教委健康教育課のまとめでは、今年6〜11月の1食あたりの単価は223円〜226円台で、上限よりも2円〜5円高い。このペースだと今年度の1食あたりの平均見込み単価は上限ぎりぎりの220円91銭。過去3年度の平均208円〜215円を大きく上回る。

  市学校給食会によると、食材の値上がりの要因は、原油高騰や天候不順、中国からの輸入品の減少など様々。来年1月以降に急激な値上げがあれば、初めて赤字になる可能性もあるという。

  こうした状況のなか、同市教委は来年2、3月の基準献立の変更を検討中だ。デザートのゼリーの回数を減らすほか、バターをマーガリンに変え、「ねじりパン」はコッペパンにする。「予算の範囲内で、極力いいものが出せるように努力している」という。

  ■「栄養は確保」

  独自の献立で、食材費を抑える試みもある。同市西区の市立東小学校では、これまでの市販のゼリーを調理師の手作りにし、牛肉は豚肉に変えた。松永立志校長は「値段を抑えながら、栄養とバランスを保てるよう工夫している」と話す。

  青葉区の荏子田小学校は一度は給食2回分の中止を決めたが、安い野菜を仕入れるなどの工夫で、中止を取りやめた。

  他の市町村も工夫を始めている。

  藤沢市は、皮なしの鶏肉を皮付きに変え、栄養価に影響が出ない程度に肉を野菜に置き換えている。同市教委保健給食課は「赤字にならないよう何とかやりくりしている。給食費の値上げも検討せざるを得ない」と話す。愛川町では「ホウレンソウが高い時はチンゲンサイに。デザートは地元産の果物」という。

  横浜市以外の市町村に米や小麦粉を売る県給食会は、値上がり分を上乗せせずに価格を維持してきた。だが、「現状は極めて厳しい。今の状況が続けば、値上げもやむを得ない」としている。

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