来年四月、金沢医科大を指定管理者として公設民営化される氷見市民病院について、小
林正富大附属病院長は十七日、同附属病院で会見し、医師の派遣などについて協議する金
沢医科大、金大との三大学協議会設立準備会から離脱すると発表した。十六日の準備会で
、「金沢医科大学氷見市民病院」の名称の再考と「現体制で一、二年間の試行期間が必要
」との要望が認められなかったためとした。これを受け市役所で会見した堂故茂市長は「
基本協定を結び、議会の承認も得ており、急に変更できない。富大には今後も協力を呼び
掛けたい」と述べた。
小林氏と堂故市長の会見によると、十六日に金沢市内のホテルで開かれた準備会で、議
長の小林氏が新病院の名称の再考や試行期間の要望に加え、公務員の身分の維持を求める
職員は公務員のまま勤務できるよう求めた。しかし、要望はいずれも認められなかったた
め、小林氏が準備会を離脱すると通告した。金沢医科大側は個別に医師と交渉を続ける意
向を伝えた。
今後、準備会には富大側が欠席するものの、来年四月に予定する準備会を拡充した三大
学の連携協議会については設置する方向を確認したという。
小林氏は「氷見市の決定は、金沢医科大の指示系統による体制への変更であり、あまり
にも性急だ」と批判した。氷見市民病院の医師三十二人のうち二十人を占める富大出身者
の継続勤務について、個々の意思で決定するとしながらも、「相当数が残らないと間接的
に聞いている」と語った。
堂故市長は、医師は金沢医科大が責任を持って確保するとしたうえで、「指定管理者の
公募の段階から想定と違い、拙速な部分があったかもしれないが、市民の利益を第一に考
えて判断した。今、改革を止めると市政が混乱する」と述べた。
高島茂樹金沢医科大病院長 準備会の議長である小林病院長が離脱を発表したのは、誠
に残念だ。氷見市の医療を維持・存続させるという点では、三大学の思いは一致している
。これは地域医療再生のモデルケースとなるもので、引き続き大学間で協議が行われるこ
とを望んでいる。
富田勝郎金大附属病院長 氷見市民病院の医療は富大が主導となり、責任を持って事に
当たっていると信じていたが、突然の離脱発表を聞いて驚いている。今こそ、三大学で文
殊の知恵を出し合い、「氷見市民の医療をどうするのか」について、冷静に知恵を絞る時
だ。